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2015年10月05日06:52

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オートメーション人間

 先日読書した『オートメーション・バカ』から「オートメーションとしての人間」も存在することに連想が飛びました。イデオロギーや宗教の信者や強い思い込みのある人で、一定の入力に対しては環境の変化や相手の違いに関係なく必ず一定の出力を繰り返す人の存在です。
 世界に対峙するにはもちろん何らかの判断と行動の根拠が必要ですから、何か“ソフトウェア”をインストールしておかないと何もできませんが、せめてその“アップデート”の努力は日々おこなう必要がある、のでしょう。

【ただいま読書中】『陰陽師 ──瀧夜叉姫(上)』夢枕獏 著、 文藝春秋、2005年、1429円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4167528177/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4167528177&link_code=as3&tag=m0kada-22
 コミック版『陰陽師』の冒頭に登場する「百鬼夜行」のシーンが、本書の冒頭に登場します。これも一種の自己言及なのでしょうか。ただ違うのは、本書では鬼たちが、手に手にバラバラになった人の死体の一部を持っていることです。
 またも都にあやかしの嵐が吹き荒れます。
 今回の「根」は、20年前の平将門の乱。本来は真っ当な武士であった将門が、どうして反乱を起こすことになったのか、の謎とともに、現在都の各所で起きている怪異現象の黒幕が誰でどのような手口を使っているのか、その謎解きが少しずつおこなわれています。
 ここで安倍晴明は謎解きをせがむ源博雅に向かって「得た情報は同じなんだから、少し頭を使って見ろ」なんてことを平然と言います。このことばの対象は、もちろん読者ですね。平将門の乱に関係した人がその乱で何を実行し、そして現在どのような怪異に見舞われているか、それはいわば「公開情報」ですから、それをつなぎ合わせ、欠落部分に論理を働かせたら“真犯人”はわかるはず、というのが安倍晴明の言い分です。
 ……と言われてもねえ。私はシャーロック・ホームズでもなければ、安倍晴明でもないのですから、そう簡単にはわかりませんってば。


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