mixiユーザー(id:235184)

2015年07月02日06:59

391 view

言論の自由の憲法解釈変更

 自民党の「言論の自由」とは、報道機関を潰せと威圧する自由だったり国会で首相がヤジを飛ばしたりする「自由」だったようです? 憲法解釈がいつの間にか変更されているようですね。あの「自由」の出発点は「権力者からの抑圧に対する自由」だったはずですが、いつから「権力の側が好き放題発言する自由」にすり替わったんです?

【ただいま読書中】『料理人』ハリー・クレッシング 著、 一ノ瀬直二 訳、 早川書房(ハヤカワ文庫NV11)、1972年、320円
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4150400113/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4150400113&link_code=as3&tag=m0kada-22
 コブという町に、コンラッドという長身痩躯黒ずくめのコックがやって来ます。新しい雇い主の所に出した人物保証状には、錚々たる名士の名前が並んでいます。しかしなぜか職歴は無し。
 いかにも怪しい雰囲気ですが、コンラッドが作る料理はたちまち人々を魅了します。美味しいだけではなくて、体調まで良くなるのです。体重も各人の理想に近づきます。ただしコンラッドの性格はひどく攻撃的で、人々を苛立たせるものですけれど。
 コンラッドの料理を食べた人間は、少しずつ変わっていきます。もちろん人は食べたものによって形成されているのですから、食べるものが変わったら人体の組成そのものが変容することに何の不思議もないのですが。ただし、コンラッドの“敵”はひどい目に遭います。
 「変化」は少しずつしかし容赦なく拡大していき、コブの人々は恐れながらそれを見守るだけです。誰もコンラッドに逆らえないのです。
 冒頭の「契約」から、コンラッドの狙いが何であるかは明確です。しかしそれを適えるための手段が「料理」というのには意表を突かれます。さらに、コンラッドの親しい友人たちが「名士」ぞろいである点から、社会を“食い物”にしている人たちの存在に私の思いは至ります。
 美味しそうで、恐〜いホラー小説です。再読して、また私は楽しく恐怖に震えることができました。


2 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年07月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031