mixiユーザー(id:235184)

2015年04月26日08:01

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不審者

 これはフィクションです。
 警察に電話がありました。
「男が下半身をもろに露出させていました」
「どこですか?」
「その男の自宅のトイレの中です」
「それを目撃したんですか?」
「はい、しっかりと」

【ただいま読書中】『バルバラ異界(2)』萩尾望都 作、小学館、2004年、505円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4091913385/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4091913385&link_code=as3&tag=m0kada-22
 渡会はまた青羽の夢に潜ります。しかしそのバルバラ島を支える世界観は、とても9才の少女のものとは思えないシニカルで複雑なものでした。さらにバルバラ島の住民が“現実世界”ににじみ出てきます。この世界に住むキリヤ(渡会が、赤ん坊の時に捨てた息子)もまたバルバラ島と何らかのコネクションを持っています。さらに、かつては水の星、今は砂の星となってしまった火星のイメージがこの世界に重ね合わされます。そして、戦争も。
 さらに「豚を食べても臓器移植のような拒絶反応は出ないのに、食品アレルギーは出るのは、なぜ?」という素朴な疑問も隠し味として登場します。
 夢と現実が循環します。どちらが夢で、どちらが現実なのか、だんだんわからなくなってしまいます。謎が謎を呼びますが、しかし登場人物は皆「謎を解きたい」とそれほど熱心に思っている様子ではありません。これもまた伏線なのでしょうか。


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