mixiユーザー(id:235184)

2015年03月26日06:27

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シシャモとイワシ

 シシャモは子持ちが喜ばれますが、形も大きさも似ている小イワシの場合子持ちがどうのこうのとは言われませんねえ。なぜなんだろう?

【ただいま読書中】『石油の帝国 ──エクソンモービルとアメリカのスーパーパワー』スティーブ・コール 著、 森義雄 訳、 ダイヤモンド社、2014年、3000円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478029105/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4478029105&link_code=as3&tag=m0kada-22
 1989年3月23日、エクソンのタンカー・バルディーズ号がアラスカで座礁し深刻な原油流出を引き起こしました。エクソンは当初船長の酔っ払い運転のせいにしようとしましたが、政府調査員はすぐに、不適切なシステムとヒューマンエラーの複合によって事故が起きたことに気づきました。流出した原油に対して化学拡散材を使うかどうかで激しい議論が起きますが、激しい嵐が原油と議論を吹き飛ばしてしまいます。海岸に漂着した原油処理で、エクソンと沿岸警備隊は協力と対立をします。現場とワシントンも対立をします。
 エクソンはアメリカ最大の石油会社で、どちらも「帝国」と表現できる組織ですが、エクソンの利害とアメリカの利害は必ずしも一致していませんでした。ここで本書の著者は、エクソンのCEOリー・レイモンドに焦点を絞ります。レイモンドの前任者ロールは容赦なく人員削減と経費削減を行い財政悪化を防ぎましたが、レイモンドはさらに攻撃的で妥協しないタイプでした。20世紀末までエクソンはめざましい収益を上げる企業になりますが、石油埋蔵量の減少に直面せざるを得なくなります。その回答は「モービルとの合併(その分所有している“埋蔵量”が増える)」でした。さらにクリントンからブッシュへの交替はエクソンにとっては追い風に感じられました。しかし、頑強な環境保護派によるエクソン批判だけではなくて、気候変動の風が吹き始めます。温室効果ガス削減はエクソンの存亡にかかわります。レイモンドは精力的に地球温暖化対策に反対し続けます。「温暖化は科学的に怪しい」「先進国の生活維持」「途上国の生活レベル向上」「自由市場の維持」などが、十分な資金をバックに述べられます。ただ興味深いのは、エクソン寄りの「学者」に気候学者はあまり含まれていないのに、経済と公共政策の専門家がたっぷり存在していることでしょう。
 アメリカと外国(インドネシア・赤道ギニア・カタールとサウジ、など)が交互に取り上げられ、エクソンという企業が「グローバル」であることが立体的に示されます。「アメリカという国家の中のエクソンという国家」のはずが、アメリカをはみ出た(下手するとアメリカの将来などは気にしていない)「プライベートな帝国」であることも。そしてレイモンドは、エクソンの未来(埋蔵量の獲得)のためにロシアのプーチンと結ぶことを考えます。
 本書の最後に、メキシコ湾でのBPの原油流出事故が扱われ、そして「このまま化石燃料に依存する社会は、最終的に高いコストを支払わなければならなくなる」と述べられます。そういえば原発も「安くて二酸化炭素を出さなくて安全」が売りでしたよねえ。さて、化石燃料の未来と人類の未来、真剣に考えるだけではなくて行動をしなければならないようなのですが……


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