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2015年02月24日06:37

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読んで字の如し〈草冠ー10〉「芋」

「芋粥」……敦賀の名産(芥川龍之介談)
「薩摩芋」……薩摩特産の芋
「芋茎」……かつては重要な食品
「山の芋が鰻になる」……予算の関係であり得るメニュー
「山芋」……山のような形の芋
「里芋」……里のような芋
「ジャガ芋」……ジャガのような芋
「石焼き芋」……石を焼く芋
「大学芋」……大学特産の芋
「芋焼酎」……芋を入れた焼酎
「芋虫」……芋に擬態した虫
「芋の子を洗うよう」……芋が子供を洗っているようす
「芋刺し」……芋で刺す(「串刺し」を参照のこと)

【ただいま読書中】『描かれた倭寇 ──「倭寇図巻」と「抗倭図巻」』東京大学史料編纂所 編、吉川弘文館、2014年、2500円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4642082530/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4642082530&link_code=as3&tag=m0kada-22
 まずは「倭寇図巻」です。右手からみすぼらしい恰好の倭寇が迫ってきて上陸、略奪・放火を繰り広げます。人々は絵の奥の方に避難します。そこに左手から明軍が。まず水軍。そして続々と陸軍の援軍も出撃してきます。
 次いで「抗倭図巻」。こちらも平和な村が倭寇に襲われ、そこに明軍が出撃して倭寇を撃退します。物語の展開は同じですが、違うのは画面構成。「倭寇図巻」では「右が倭寇」「左が明軍」でしたが「抗寇図巻」では「右から左に時間が流れる」のです。従って、最初に右から登場した倭寇は最後には左に逃げていくことになります。巻物を開いて見る場合、後者の方が“読み”やすいでしょう。
 本書では、「オリジナルの巻物」があって、そこから様々に派生したバリエーションの内の二つが、上記の二つの作品なのではないか、という推測がされています。実際に、現物は残されていませんが別の「平倭図巻」という作品に関する文字記録が本書では紹介されています。
 しかしこういった図巻を、誰が何の目的で製作したのでしょう? 軍人の勲功を表彰・記録するためか、政府のプロパガンダか……まさか娯楽目的ということはないでしょう。
 ちなみに「倭寇」が日本人であることのシンボルとして使われる重要な小道具は「日本刀」と「扇」ですが、この二つは当時日本から明への重要な輸出品でもありました。明の人たちが「日本」と言ってすぐ思いつくのがこの二つだった、ということでしょう。かつての「眼鏡とカメラと出っ歯」と似たようなものですね。
 

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