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2015年02月04日07:06

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駅伝の練習

 もちろん「走る練習」は必要ですが、駅伝には駅伝ならではの特殊性があります。もしトップから遅れてたすきを受けたら、おそらく「前の走者に追いつこう」とするはずです。その思いは余分な筋肉の緊張となり、タイムはかえって落ちどこかが故障しやすくなるでしょう。だから「焦らなければならない状況で前とのタイム差に合わせてどのように走るかの練習」、あるいは「焦らずにマイペースを貫く精神面でのトレーニング」、どちらかをプラスしてやっておく必要があるのではないか、なんてことを私は思っています。「状況に応じて走りをかえる」ことも「どんな場合も動じない」ことも、両方必要ですよね?

【ただいま読書中】『航空管制官はこんな仕事をしている』園山耕司 著、 交通新聞社、2014年、1800円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/433050314X/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=433050314X&link_code=as3&tag=m0kada-22
 空には「道」があります。それも二種類。一つは、20世紀初めから整備をされ続けているもので、地上に置かれた機器によって飛行機を誘導するシステムです。もう一つは21世紀のもので、測位衛星によって航空機自身が自分がどこにいてどこに向かっているかを把握できるシステムです。
 「道」のメイン部分は「航空路」です。そしてその前後に「標準計器出発経路(滑走路から航空路までの部分)」と「標準到着経路(航空路から滑走路まで降りる部分)」とがくっついています。
 航空機が使う人工衛星は、アメリカのGPSとロシアのGLONASSです。ただしこれにジャイロスコープを併用しても、精度は±7マイル。そこで、複数の補正システムを組み合わせてその精度をさらに上げています。しかしこれでわかるのは「自機の位置」だけです。他の航空機の位置を知らないと安全は確保できません。そこで、航空管制官の出番です。
 航空管制官になるためには、短大卒以上で、人事院が課する試験をパスする必要があります。国土交通省は、衛星を利用する革新技術に対応するために、航空保安大学校で学科と実技の研修を1年間受けさせます。それから現場に配属され、現役管制官を教官としてOJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)が開始されます。業務によっては何年もこの訓練は続きます。取るべき資格もたくさんあります。
 24時間運用の空港では、管制官も24時間勤務になります。1回6時間勤務で5チームが、「シフト勤務で4日勤務して5日目は休み」のスケジュールで動きます。
 旧式のレーダー時代には、レーダー画面の輝点を管制官は記憶で管理していました。ですからベテランでも一度に5機しか管制ができませんでした。しかし今のレーダーは、航空機呼出符号・高度・速度なども位置情報と共に表示されるようになり、管制官の仕事効率は格段に上昇しています。仕事量も増えていますが。
 出会いたくないのは「緊急事態」です。すぐ思いつくのは、航空機の故障や損傷、航空機が出くわす自然災害(火山の噴火など)、ハイジャック、空港のシステムダウン、空港の自然災害(降雪など)、操縦ミスや管制ミス。それにプラスして、管制官だけが出くわすのが「航空交通の飽和状態」だそうです。なるほど、空港のキャパを越えた航空機が集中して“渋滞”になった、と思えば良いのかな。こういった緊急事態で「奇跡」もあれば「惨事」もあるわけですから、管制官は仕事中は気が休まることがないでしょう。
 なお、交信はすべて英語なので、英語がぺらぺらでないといけません。
 巻末には、著者の半生の紹介があります。空襲に追われた少年時代。自衛隊に入隊。新兵の時に映画「ゴジラの逆襲」で3人の兵士がゴジラに向かって機関銃射撃をするシーンに“出演”したそうです。防衛大学校を卒業後は航空管制官になることとなり、三沢基地の米空軍の通信部隊に配属。管制技術の習得も大変でしたが、英語でも大変な苦労をしています。「日本の空」の黎明期から、ずっとそこをにらみ続けていた人の体験談です。これはとても貴重な記録です。
 現在自動車はどんどん安全装置が進歩していて、危ないと自動車が判断したらブレーキがかかったりするそうです。自動車は止まれば(追突をされなければ)安全な存在になりますが、飛行機は“ブレーキ”をかけたら失速して墜落します。だけど飛行機同士がお互いに“会話”をしてニアミスを避けることができたら、少なくとも空中衝突は減らすことができそうです。そんな安全な時代が来れば良いのですが。


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