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2014年12月06日07:23

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イギリスではアナログレコードの売り上げが伸びているという話。

レコード会社時代の友人がフェイスブックにアップしていた記事によりますと、アナログレコードの売り上げが年間2000万ポンドとなり、5年前より300万ポンド増えた、とのこと。これにはピンク・フロイドの最新アルバム「永遠(TOWA)」(グループとして最後のアルバムとなるようです)の売り上げが大きく寄与しているそうな。

というニュースを読んだすぐ後に、例年参加させていただいているレコード会社の先輩たちとの同窓会があり、そこでベルウッドレーベルの作品がLPとして再発売される話を聞きました。日本でもアナログ盤の人気は根強いようです。実際、アニメ関係のプロデューサーであるその会の最年少メンバーFさんが、会場に来る前にレコード店へ行き、アナログレコードを十数枚買ってきたとのこと。←総金額が4000円です。なんでもFさんは今、アナログレコードしか聴いていないとか。

僕は友人のフェイスブックに、イギリスのアナログ盤が東洋化成でプレスしていて、カッティングが小鉄さんだったらいいけどね、みたいな“きいたふうなコメント”を書いておきました。そしたら小鉄さんは現在まだJVCのスタジオにおられて、実際にカッティング・エンジニアとして活躍なさっいるようです。ベルウッドの諸作品をディレクションした三浦さんが同窓会に来ていて、新たに10枚のLPを発売するに当たりカッティングに立ち会った話をしてくれました。←すべてアナログのマスターテープからカッティングしたそうで、1曲に1時間としても1枚10時間、全部で100時間という大仕事ですから、70歳を過ぎた先輩にはキツいことでしょう。でも、とてもうれしそうだったけど。

僕はアナログのレコードプレーヤーをいちおう持っていますけど、やはり聴くのはCDですね。音質がどうのこうのというより、簡便だから。それとレコード盤に針を落とすという作業が結構面倒です。針が落ちた瞬間にブチっという雑音が入るのが嫌だし。さらに片面20分程度で裏返す必要がありますからね。昔はオートチェンジャーだったから、ビートルズとストーンズとアニマルズを重ねて連続演奏していたこともありました。←この順序じゃないとダメだったんです。なじんだビートルズで始めて、ストーンズのタイトなリズムへ行き、エリック・バードンのヴォーカルを楽しむ、という手順。

しかし今は、映画を見ることに忙しくて音楽を聴くというスタンスにならない。時々映画の中に印象的な使われ方をしている音楽を、単体で聴きたいと思って手を出すのですが、映画の中で映像と一緒のときほど感動がなかったりします。それが数回続くと、ますますCDに手が伸びなくなる。僕の場合はそんな感じです。

昨日の同窓会の最後のあいさつの中で、僕がいた会社の社長が発言し、“アナログ盤の話が出ていましたが、普通のCDもきちんとした機器で聴けばいい音をしています。アナログ盤だからいいということではなく、今回のベルウッドのLPは再カッティングしているというところに意味がある”と言ってました。この意見は、やたらとフィルムをありがたがる風潮に対する警告でもあると思います。

つまり僕が最近体験した「おやじ男優Z」の映写環境を例にとれば、ブルーレイの素材には見事な内容が詰まっているということ。それを最高に発揮していたのが渋谷のユーロスペースでした。あのブルーレイ上映は、かつて一流のシネコンで見たブルーレイ上映がかすんでしまうできばえでした。だからHDDで素材が来ていたら、そしてプロジェクターがきちんとしたものなら、作り手が想定した映像世界を再現できると思います。少なくとも素姓の分からないフィルムよりは、作り手の意図した映像を再現しているであろうことは間違いない。

そうそう、僕はアナログレコード盤のスクラッチノイズ(プチプチ音、ブチ音)が嫌いです。だからCD発売当初は、雑音がないというだけでCDを好みました。同様にデジタル映像は“雨”が振りません。だからきちんとネガからデジタルリマスターした素材だったら、僕はフィルムよりもデジタル映像の方がいいのではないかと考え始めています。逆に言うと、今なおフィルムにこだわるなら、現在可能な最高の状態のフィルムを提供してほしい。それは採算から言うと無理な話ですが、それができないならフィルムへのこだわりを捨てるしかない、と僕は考えます。
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