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2014年11月30日07:29

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読んで字の如し〈草冠ー5〉「苦」

「若いときの苦労は買ってでもしろ」……年寄り専用の言葉
「滅茶苦茶」……飲まない方が吉
「苦扁桃」……苦い扁桃腺
「苦い」……苦みは古くなった植物に含まれているらしい
「苦戦」……安易な戦いを予期していたの?
「苦は楽の種」……まいて試した人がいるらしい
「苦痛」……苦しい痛み
「苦楽」……苦しい楽しみ
「苦々しい」……苦さ倍量
「苦労」……苦しい労働
「苦労性」……苦しい労働を好む性質
「ご苦労様」……なぜか敬称を前後につけられた苦労
「四苦八苦」……三苦の進化形
「苦行」……苦しみに向かって行く
「苦心」……苦しみで満たされた心

【ただいま読書中】『日本の児童虐待重大事件 2000-2010』川崎二三彦・増沢高 編著、 福村出版、2014年、6000円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4571420552/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4571420552&link_code=as3&tag=m0kada-22
 マスコミでは時々思い出したように「児童虐待事件」が報じられます。それによって社会の関心は高まり、通報数も増えます。しかしそれは一過性の動きでしかありません。結局マスコミにとっては「消費するべき記事のネタ」でしかなく、多くの人にとってはニュースを見て眉をひそめて気の利いたことを一言言えばそれで「済んでしまったこと」になります。
 それで本当に良いのか?ということで、本書が編まれました。「記憶」はどんどん風化・劣化しますから、せめて「記録」は残しておこう、と。
 本書には「児童虐待防止法」が制定された2000年から2010年までの重大事件25件がまとめられています。重大事件は社会を騒がせ、その結果虐待防止システムや行政の施策に影響を与えます。そのことについても具体的に本書では述べられます。
 著者は「本書で2000年からを扱っているからと言って、『20世紀には虐待がなかった』などと考えてはいけない」と警告をしています。そそっかしい人はいますからねえ。システムが拡充されることによって「通報数」が増えていることと、虐待は世代を超えて受け継がれることも勘案しなければならない、と。
 それぞれの事例は、実に淡々と記述されているのですが、読んでいて暗澹たる気分になってきます。子供をネグレクトや暴行で殺す、という事件性も重たいものですが、それを行った者にもそれぞれの“事情(やはりネグレクトや暴行を受けてきた過去、個人としての未熟性、精神障害、など)”があることもわかりますから。
 ちょっと変わったところで「代理ミュンヒハウゼン症候群」の事件も登場します。これは2008年のことだったんですね。これもその母親の両親のところから“話”が始まっています。依存と愛着の対象であった母親(“被害者”の祖母)は早くなくなり、父親(“被害者”の祖父)は飲酒癖とDVだったのです。
 もちろん、どんな事情があろうとやってはいけないことはやってはいけないことなのですが、では「悪い犯人(直接手を下した親)」を罰したら「一件落着!」なのか、と言えば、たぶん違うでしょう。ここで優先してするべきことは「監視」「摘発」「処罰」の整備だけではなくて、「予防」「支援」の方向も拡充した方が良いのではないか、と私は思います。再発を防止しない限り、虐待事件に限りはありませんから。私は「他罰」よりは「社会の改良」の方に興味が向きます。


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