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2009年10月09日00:46

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(適宜追加)短歌・俳句等

山道に零れ落ちたる桜花 若葉の上に置きて立ち去る

雲間より洩れる青空清しくて 我が心にも春は来にけり

後悔を重ね生きるもまた良しと 思うて歩く花曇りかな

漆黒の桜の肌の滴りを三つ見届け職場へ向う

ネクタイを解きて歩む菜種梅雨

小雪舞う何処にひそむ河童淵

水仙の銀河に満ちて里の冬

ビル街の将門塚に冬日さし 坂東武者の夢のかけらよ

寒風をまず吸うてみる走り初め

晩秋のひかりを全て集めんと 杉の木立ちは微動だにせず

しとしとと舞い散る枯葉の砂時計 底にて秋の時を測りぬ

秋山に横笛の音の吸われゆく

冴え冴えと煌く月は天高く 優しき音色ひた走るバス

残照の汽車は稲穂を滑り行く 秋の気配を置き去りにして

夏のかけら青、白、緑に輝いて

弁当の重さ確かめ旅の夏

木洩れ日や葉の柔らかさ確かめる

山寺の寂寞破る雪ひとつ 死者の魂戻り来たりて

尾道の汽船過ぎ行く夕霞 少女は束の間の旅人となる

夜空より黒深くして山眠る

降りかかる雪溶かす紅寒椿

白河は東京にない空があり 初雪はまだ山に眠れる

凍天に張り付く星を集めんと 天翔けるごと川べりをゆく

蒼天の庭園時も休みおり

天焦がす紅葉ヶ谷は静まりて

山里の落葉の雪は舞い終わり 木守の柿はそっと熟れゆく

星月夜シチューの湯気を貫いて

黄昏が明石の浜に訪れて 少年の読む本が気になる

雪の香に誘われゆく冬木立

緩やかな孤をなぞり行く巾着田 ぐるりの川は光となれり

秋空に浸した指の透き通り

アンパンとともに風食う家路かな

幾千の光の水脈が流れゆく 秋霖けぶる悲しみの街 

漆黒の夏の闇から溢れくる 草の香乱すため回り道

炎天と涼風攻めぎあう岬

八月の立山秋に抱かれて 展望台の氷の手すり

満月の白の重さよ秋の梨

この夏の終りを告げし秋茜 波音のない砂浜に赤

夕陽さす地蔵の顔のあたたかさ

花巻の透明の風吹き抜けて 林檎齧りし音だけがある

北上は古の夢運びおり 水面を染めし秋の夕暮れ

ジョギングのラスト100のみ駆けぬける 少年の日の我に会うため

木犀の花の在処は闇に消え 真白の月より匂い来るかな

一匹と目を合わせたりしらす丼

三木助の芝浜を聞き暮るる年 夜風が運ぶかすかな汽笛
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