石川県白山市手取川の河床に、おそらく日本最大級と見られる巨大な砂岩の転石「百万貫の岩」がデンと腰を据えている(写真=そばに立つ人と比べてほしい)。
所在地は、同市白峰集落の上流約6キロという奥深い山域だけに、僕は訪れたことはない。
◎とてつもなく巨大だから百万貫
この巨岩は、昭和9年(1934年)7月に発生した手取川大洪水の際に、上流から土石流として流出してきたものだ(写真=矢印が「百万の岩」の場所)。
この時の梅雨記末の記録的豪雨と残雪の融水により起こった大洪水で、死者・行方不明者112名、流出家屋172戸、埋没耕地2113ヘクタールなど、洪水災害史上でも最悪に近い大水害となった。この大洪水で手取川河床に残され巨大転石は、「百万貫の岩」と呼ばれるようになり、当時の未曾有の大惨事を後世に伝える水害記念として、水害の規模を如実に示す証拠資料としても極めて貴重なので、石川県の天然記念物に指定されている。
百万貫というのは、今日のメートル法で表せば375万キロ、すなわち3750トンである。はっきり計測されたわけではなく、「とてつもなく巨大なもの」として通称されたのだが、その後、計測・推定されるとその数字に近かった。
◎計測しての推定質量は確かに129万貫
大きさは19.175メートル×16.160メートル、体積は1890立方メートルもあり、推定質量4839トン、つまり確かに約129万貫もあった。
しかし普通なら、こんな巨岩がここまで流されてくるはずはない。密度の大きい土石流に巻き込まれたので、流されてきたのだ。
土石流による巨大災害の怖さは、去る8月26日にネパールと中国の国境近くで発生し、死者・行方不明者約7000人を出した巨大災害が記憶に新しい。
僕は、この原因を氷河の崩壊によるものと考えたが(26年8月31日付日記:「ヒマラヤ、アルプスなど進む氷河融解で大規模災害続発、ネパールの国境近くの氷河崩壊で死者・不明多数」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202608310000/を参照)、最新の研究で数十年前から入っていた岩盤の亀裂に、氷河の融解水が侵入し、その亀裂がついに重さに耐えきれなくなって崩落したもの、と考えられるようになったという。
◎急峻な山岳の広がる日本に大洪水の危険はいっぱい
それでもこの大自然災害が、地球温暖化によって引き起こされたのは間違いない。
日本には崩落で大洪水を起こしそうな氷河はないが(北アルプスに現在7カ所の小規模氷河が確認されている)、急峻な山岳の広がる日本でも、「百万貫の岩」が無言で物語るような水害は起こりえる。もし現在起これば、砂防ダム程度では防げない。不断の監視と適切な避難対策が望まれる。
注 容量制限をオーバーしているため、読者の皆様方にまことに申し訳ありませんが、本日記に写真を掲載できません。
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昨年の今日の日記:「ロシア軍事費、26年予算で侵略後初のマイナス;モルドバ総選挙で親欧米派が勝利」
https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202510040000/
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