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2021年03月15日21:00

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怪異談 生きてゐる小平次

役者の若者が横恋慕するのは一緒に活動している囃子方の妻。妻の方は思わせぶりな態度で役者を翻弄するだけ。ある日、役者が囃子方にあなたの妻を欲しい、と打ち明け、激情した囃子方は役者を殺してしまう。ところが役者は何事もなかったように戻ってくる。逃げる夫婦にどこまでも追いかけてくる役者。役者は生者なのか亡霊なのか。
怪談映画の名匠、中川信夫がATGで撮った遺作。怪談映画の名匠というけど膨大にあるフィルモグラフィの中で怪談映画を占める割合はごく一部。自分は怪談映画数本と金田一耕助の探偵モノを1本しか見ていない。
本作は高校生の頃に深夜放送で見て結構怖かった印象があるのだが、改めて見てみるとそうでもない。
歌舞伎にもなっている戯曲が原作らしく、登場人物が3人しか出てこない。舞台だったらそういう趣向で見れるけど、映画になるとそのことが結構怖い。いかにも舞台然としたセットで描かれるのではなく、ロケーションのリアリティと3人しかいない非現実感が変な空間を表出させる。
3人しかいないという極限状態が異様な緊迫感を醸し出しているのだが、以前見た時はそういうあたりに痺れたけど、歳取って鈍感になってしまったからなのか、あまり感じなくなってしまったな。
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