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2019年12月07日21:10

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「夢の軌跡」

読書日記
「夢の軌跡」
アンドレ・ブルトン
 編
(国文社)

1970年刊行のセリ・シュルレアリスム2 
「アンドレ・ブルトン収集によるテクストと挿画からなる”夢”にささげられた手帖」
夢にまつわるあれこれをシュルレアリスム詩やフロイト学説研究家のエッセイ、それにシュルレアリスムイラストを交えてたいへん楽しい、お菓子で言えばバラエティパックのような本になっている。

ブルトンはじめこの時代のシュルレアリストたちのフロイトの夢分析に対する信奉はたいへん厚いものがあり、いっぽうシュルレアリストたちの大好きな神秘的イメージは少しも遠慮することなく、まるで神秘主義も含めてまるごと精神分析学で裏付けたような不思議な感覚だ。

自分はシュルレアリスムが好きとは言っても特別詳しいわけではないので詩人たちは知らない名前ばかりだが、ブルトンのチョイスにはデューラーやプーシキン、パラケルススまで入っている。イラストはエルンスト、タンギー、マグリット、ダリ、キリコなど有名どころを交えて豊富。やはりブルトンは作家ではあるが同時に編集者であり、蒐集家であり、美食家だな。

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