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2019年10月18日09:19

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神宮スズメの独り言2019秋〜44〜雨中の歓喜

雨が降り続いていた。駅から自宅まで10分以内なら傘なしでも我慢できるくらいの雨だ。だが、降り始めてもう2時間近く経つ。そして試合は劣勢。

中央の応戦席には学生応援団やチア、ブラスバンドはもちろん、一般応援の人も傘もささずレインコートも身に着けていない人も多くいた。第1試合で國學院が敗れたためこの試合に勝てば一気に優勝が決まることになった中央。しかし、しかし試合は1点差を4回裏に追いついたものの5回には内野ゴロエラーで1失点。6回は1死3塁から2塁打を浴び、7回も走者を2人置いて平田君の打球はセンターの頭を越え2点。じりじりと点差を広げられ5−1とされていた。

雨は降り続ける。普通なら途中で帰る観客がいてもおかしくないなか、逆に何とか時間を作って神宮に駆け付ける人で増えている。営業の時間の合間にきたのかと思われるビジネスマンもいる。杖をついて急な階段を上がるのも困難な高齢者はグレーと紺のストライプのネクタイにブレザーを着こんでいる。勝てば2004年以来30季ぶりの優勝が決まる中央の関係者にとっては雨などは関係ないのだろう。

ただでさえ東都一の観客動員数を誇る中央。この応援に選手たちは8回の裏、猛攻を仕掛ける。

先頭の坂巻君が安打で出ると立正は5安打1失点に押さえていた先発の渡部君から山本君に代えた。中川君は三振。しかし五十端君の安打と内山君の2塁打で1点を返して5−2。

応援席だけではなくネット裏、そして雨を避けるために2階席に移動した観客からも大きな拍手が起こった。だが、これでもなお、中央が勝つと思っていた人はそう多くはないはずだ。立正はエース級の糸川君をマウンドに送って来た。

しかし雨の影響か、それとも球場の雰囲気か、糸川君は制球を乱して連続四球で押し出し。さらに小野寺君の安打で1点を追加して5−4と1点差まで迫る。古賀君は三振に倒れ2死となって打席には主将の大工原君。

スタンドには何とかしてくれキャプテンという思いが溢れたはずだ。そして四球を選ぶ。押し出しで同点に追いついた。大声を上げて拳を握りながら1塁へ走る大工原君。さらに打者一巡しての坂巻君の時に糸川君はワイルドピッチ、ボールに追いついた捕手のバックアップした投手への送球がさらに悪送球となって2点を追加し7−5と逆転に成功。

もし天候が良ければもっと観客がいただろう。しかし天候が良ければこれだけ四球が出たかはわからない。結局この回中央は6点を奪ったが押し出しで2点、ワイルドピッチで2点だった。そしてこの最後のワイルドピッチでの2点が効いた。

最終回になると中央のマウンドには昨日先発した皆川君が上がった。そして神保君にソロ本塁打を打たれた。あのワイルドピッチで2塁走者がホームインしていなければこれで同点だった。

試合はそのまま終了。中央の優勝に関係者は沸いた。雨のため試合終了後はスタンド下の通路がごった返した。しかしこの劇的な雨中の歓喜を呼んだのはこの観客だったのだろうと思う。昨年は春秋ともに入替戦で勝ち残った中央。春は2位。そしてこの日先発していた選手のうち、4年生はキャプテンの大工原君と小野寺君だけ。まだ中央の強さは続くだろう。

黄金時代を迎えた中央。このあと神宮大会もある。来年もある。伝統校の復活はより東都を盛り上げるに違いない。



2019年10月17日 東都大学野球秋季リーグ戦 第6週2回戦(於 明治神宮野球場)
立正
010 011 200 = 6
000 100 06x = 7
中央

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