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2019年03月01日20:51

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「いまこそ、希望を」

読書日記
「いまこそ、希望を」
サルトル×レヴィ
 著

サルトル最晩年。若き友人レヴィ(ピエール・ヴィクトール)との対談。死を目前にしたサルトルの思想を掘り起こす。

すでに様々な病を得て目もほとんど不自由なサルトルだが、容赦なく斬りこむレヴィの問いに対して融通無碍な感じで答えていくのがおもしろい。これを老化や思想的ぐらつきととるより、齢をとって思考が緩やかになり、力みがなくなっているととらえたほうが楽しい。
確かに最後にたどりついた友愛という概念は、広がりすぎて曖昧な部分もあるが、どのみち友愛や希望とか絶望とか、何を選んでも言葉に縛り付けられること自体に意味はないと思う。この辺は自分にとって哲学的趣味のあるなしの問題だ。

それより古代ユダヤ教が唯一の一神論で神と無媒介に関係を持っていること。無限的なものとの初めての形而上学的関係。その後を追って、キリスト教が2番目の一神教として現れてきた話がおもしろかった。
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