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2015年09月27日11:41

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落語や演劇はその場かぎりの芸術で、映画は“再現可能”と言われるが、映画も上映するたびに内容が変わる。池島ゆたか監督「おやじ男優Z」8回目の鑑賞。

僕はかれこれ60年以上映画を見続けていますが、その映画が作られるきっかけとなった場面から、劇場で上映されるところまで、逐次情報をもらうという体験をし、公開後もさらに何回か鑑賞した映画は、この「おやじ男優Z」をおいてありません。スカパーやその録画物を鑑賞した回数を加えると10回を超えます。

3年前の7月末、池島監督の監督デビュー作の上映後、懇親会の席上で製作資金提供の話が持ち上がり、監督の目の前に300万円の現金が積み上げられたわけです。しかしピンク映画は会社のルーチンワークの一環として製作されるから300万円以内で作ることが可能ですが、それがかなわず自主制作になってしまいました。そこで更なる出資者が加わり、この映画がクランク・インしました。クランク・インまで1年、2013年の11月には初号試写となります。

そこから、ゆうばり国際映画祭への参加、劇場公開へという展開については何度も書きましたし、大阪や神戸の上映会にも参加しました。そこで僕が気づいたことは、映画は基本的に“再現可能な芸術”ではあるけれど、それぞれの上映会において、実は1回1回その上映内容が違う、ということでした。

まず、試写会で見せてもらったときの印象と、公開初日に見た印象が大きく違いました。まず画面が試写のときよりも格段にクリアーだし、音響もよかった。そして何より、満員で立ち見(階段状の通路に座り見だけど)状態。僕はすでに見ているから、映画の進行が予測できますが、他の観客は初めて見るわけで、そのリアクションが面白い。そして別の日に見に行くと観客が同じではないので、それぞれリアクションが違うわけです。大阪へ行くとまた違う。大阪では友人たちを誘って一緒に見たので、昔なじみの友人たちがそれぞれ反応する場面が違うわけで、その異なり方が楽しかった。

ということで、僕はそういう「おやじ男優Z」の上映会につきあい、さらに昨日久しぶりの東京上映会に出かけたわけです。マイミクさんと出会い隣り合わせに席を取る。てなわけで8回目のスクリーンでの鑑賞が始まります。
まず、これまでの上映会などの模様をダイジェストした5分間の映像が流れ、なんとマイミクさんたちに交じって僕の後ろ姿が映っているではありませんか。そりゃその場にいたのだから当然なのですが、その映像が今回の上映会で流れるとは思っていなかったから驚きました。

この5分のおかげで、完成から昨日までの思い出が一気に駆け巡り、本編再見が新たな体験となったわけです。さらに一緒に見ている観客のリアクションが、それぞれまた新しい刺激でもある。あるマイミクさんの“ちょっと過敏すぎるんじゃない?”という笑いには、“またか”と思いつつ、それとは違う確かな笑いが場内を包んでいきます。そして今回際立ったのが音響効果でした。画面の後ろから、効果音が聴こえる。今までもそうだったはずなのに、今回その効果が際立っていました。

トークショーで“今日初めてこの映画を見た方は?”と質問があり、半数以上の方が手を上げました。顔を見回すと、たしかに初顔の方が多い。いわゆるPK会でおなじみの顔は、並びで坐った3名と、あと3〜4名でした。そりゃ反応が新鮮だったわけです。

とりあえず僕だって、同じ映画をスクリーンで何回も見ることはしません。多くてせいぜい2回ぐらい。でも、この映画に対しては、そもそものきっかけから知っているという稀有な作品です。こうなったらとことんつきあい、さらに新鮮な発見を体験していきたいと思いました。来年夏はニューヨークで上映するとのこと。このニューヨーク旅行は、僕の人生の中でも最大級のイベントになるだろうと確信しています。我と思わん方はぜひご参加ください。ニューヨークは、いやマンハッタンは、もっと言えばイースシビレッジは、とてつもなく面白い街ですから。

写真はもっといっぱい撮ったのですが、僕が撮影するとピンボケが多く、今回もほとんどの写真がボケボケでした。すみません。写真1が池島監督。写真2は竹本泰志さん、写真3は、倖田李梨さんと松井理子さんです。なお、この写真は僕個人の撮影ですから、ダウンロードや転用はお控えください。
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