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2024年02月12日20:41

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本棚611『沖縄の海風そよぐやさしい暮らし365日』ながもと みち(自由国民社)

 ゆったりと心地よい沖縄の風が吹き抜けるような爽快感を与えてくれる一冊。1日1ページ、365日、ケラマブルーの瑠璃色の海や烏帽子のようにすっくと海原に山の頭を出す伊江島タッチューといった美しい写真に言葉が添えられている。旧暦12月に沖縄の各家庭で健康を祈って作られるムーチー(月桃の葉で蒸したお餅)や、「いつ(5)の世(4)までも」一緒にという想いを込めて織られるミンサー織の日(5月4日)など、季節折々の行事が散りばめられているのも楽しい。座右に置いて、沖縄の海や風が恋しくなったら、折ふし頁を繰りたい。

 ため息の出そうな美麗な写真に目が奪われがちになるが、様々な言葉は決して添え物ではなく、それ自体が光を放っている。とりわけ、沖縄で長く大切に受け継がれてきた「黄金言葉(くがにくとぅば)」は、琉球、沖縄の長い苦難の歴史の荒波を、悲しみを乗り越えてきた人びとの優しく、しなやかな強靭さを感じさせる。

「苦(くる)しみぬ水(みじ)ん 飲(ぬ)でぃぬ後(あとぅ)からどぅ 楽(たぬ)しみぬ水(みじ)ん 味(あじ)や知(し)ゆる」
「苦しみの水を飲んで(人生の苦労を経験して)、初めて、本当の喜びや楽しさの水の味を知ることができます」

 「なんくるないさ」の本当の意味を記してくれているのも嬉しい。沖縄のおじいやおばあから受け継がれる言葉は、いついつまでも輝き、次代を生きる人びとの進む道を照らし続けるのだろう。

「真(まくとぅ)そーけー なんくるないさ」(人として正しい行いをしていれば、自然となるようになる。)
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