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2019年01月14日06:25

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深作欣二監督の監督デビュー作ということですが、それだけの意味しかありませんでした。深作欣二監督「風来坊探偵 赤い谷の惨劇」(1961)。

先ほど気づきましたが、オールシネマ・オンラインで個人の作品を一覧表にすると、公開日の新しい順に並ぶようになったみたいです。以前は、その公開年の月の若いものから並び、どれがいちばん古い公開かを日付順を調べ直す必要がありましたが、最近は下にある作品が古いと並べ直したらしい。これでこそデータベースでしょ。

僕は子供のころ、ほとんど日本映画を見ていません。だから第二東映どころか、本家の東映作品すら見ていません。でも、たまに(たとえば「天草四郎時貞」など)を見に行くと、テレビ映画を2話集めた1時間弱の映画(「風小僧」など)がオマケのようについていて、それが第二東映作品だったような記憶があります。この映画はその後継会社“ニュー東映”の配給でした。

冒頭、セスナ機が雪山の雪渓に墜落します。この雰囲気がエドワード・ドミトリークの「山」にそっくりで笑ってしまいます。本家の「山」の墜落シーンを、パラマウント自身がジェリー・ルイスの映画で再使用していたことを知っているから、よけいに笑えました。

で、飛行機事故で亡くなったパイロットの妹が現場にやってきて、その近くの牧場を巻き上げようとする観光開発会社のチンピラにからまれ、そこへ風来坊探偵の千葉真一が登場する、という展開です。なにしろ62分しかないから、話が早く進む。←要するに「風来坊探偵 岬を渡る黒い風」(1961)と2本撮りだったのでしょう。

千葉真一以外、僕の知っている俳優さんは曽根晴美しか出ていません。この延長戦上に「ファンキーハットの快男児」があり、だから「カミカゼ野郎 真昼の決斗」(1966)なんていう映画を作っているようですが、それを知らずに「ジャコ萬と鉄」(1964)の後に「カミカゼ野郎」を見た僕は、深作欣二ってなんやねん、と落胆したのでした。でもそれは「博徒解散式」で覆され、「県警対組織暴力」へと昇華します。

てなわけで、千葉真一がライフル片手に石原裕次郎を気取った62分の作品には、さほど見るべき点はありません。とはいえ「博徒解散式」でやくざの社会的位置づけを正確に描くに至る、神波史男と深作欣二の出発点として、記憶にとどめる必要があるでしょう。

ロケーション効果が、B級作品のチャチさを救っていました。撮影は飯村雅彦で、このあと田坂具隆と、“東映らしからぬ”作品を輩出しています。撮影現場を北海道だと思ってたら浅間山だそうで、あのころには西部を思わせる草原があったわけですね。この映画に出てくるような観光開発会社が開拓したのではないことを祈ります(笑)。
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