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2019年01月03日07:56

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高層からの眺望

 高層ビルの展望台では、私は思わず下界を眺めてしまいますが、東京だったら「空」を見た方が良い、ということに先日気がつきました。だって東京で「広い空」を眺めることは地べたからだとまわりのビルが邪魔をしてなかなか難しいんですもの。だからそのビルの上に昇れば「邪魔するもの」が減って広い空をのびのびと眺めることができます。できたら展望台の天井も透明にして欲しいな。

【ただいま読書中】『王への手紙(下)』トンケ・ドラフト 著、 西村由美 訳、 岩波書店(岩波少年文庫575)、2005年、800円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4001145758/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4001145758&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=287ea747650b44efba71f32ad12c6022
 大山脈を何とか越えてティウリはウナーヴェン王国に入ります。しかし目的地はまだまだ遙か向こうです。目的も目的地も秘密にしている異国人は、当然怪しまれます。さらに、凄腕の殺し屋がティウリを追跡し、殺そうとしています。さらに殺し屋には手下もいます。ティウリには味方も増えてきましたが、敵も増えているのです。
 ウナーヴェン王国は、秩序と平和が支配しているはずでした。しかし、王子同士の対立から、見えないところで危険なものが蠢動を始めていました。それに気づき、不安を感じている人もいます。不安を感じながらも座り込んでいる人もいますが、情報を集め自分にできることはないかと動き始めている人もいました。
 やっとウナーヴェン王のところに「手紙」を届けることにティウリは成功します。暗号で書かれていたため内容はまったくティウリには不明なのですが、ともかく「任務」には成功。しかしその内容を知った王は、明らかに衝撃を受けています。どうも「任務に成功してめでたしめでたし」とはいかないようです。さて、ティウリはここからどんな運命にさらに翻弄されることになるのでしょうか。
 けっこう“一直線"の物語なのですが、とても面白い。とくに「謎」が魅力的に設定されているし、ティウリの行く手を阻む障害をどうやって越えていくかに知恵を絞るとき、読者も一緒に頭を振り絞ってしまいます。
 本書で道化が「空にかかる虹の端を探して長い旅をした男の物語」を語ります。「虹の国」はさぞかし美しいだろう、と期待していったのに、地平線の向こうは変哲もない地でがっかりしたとき、道中で見たたくさんの美しいものを思い出せた男の話です。私たちはついつい「結果」を求めてしまいますが、人生では「過程(道中)」が大切、と言いたいのかな? ともかく、含蓄の多い素晴らしい物語です。


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