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2018年10月29日07:31

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きれいな水

 浄水技術はどんどん進歩しているのに、川の水が昔のようにきれいにならないのは、なぜ?

【ただいま読書中】『水の歴史』ジャン・マトリンコ 著、 遠藤ゆかり 訳、 創元社、2014年,1600円(税別)
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 まず「水」とは何か、から話が始まります。古代ギリシアのエンペドクレス以来「水」は「元素」として扱われていました。1758年にラヴォアジエは四大元素説を否定、水は酸素と水素が化合してできていること・水を分解したら酸素と水素になること、を示しました。
 水は、私たちが生きる環境で、固体/液体/気体で存在するという非常に特殊な性質をもち、ほとんど万能の溶媒で、摂氏4度で密度が最大になる(固体が液体に浮かぶ)という不思議な性質ももっています。
 水はさまざまなところで「循環」しています。動物の体内、植物の体内、そして環境。
 地球以外にも水は存在しています。その一部は隕石が降り注ぐとき地球の大気圏内で蒸発して水蒸気となっています。最近では月や火星など他の天体に水が存在する可能性が注目されていますね。
 「水のコントロール」は、文明にとっては重大事でした。古代中国では「黄河の氾濫を抑える」ことが皇帝の最優先事項だったはず。古代文明はどこも大河のほとりで発展しましたが、氾濫対策や灌漑施設がつきものです(古代エジプトはナイルの氾濫を喜んでいたでしょうが、それでも為すがままではなかったはず)。古代ローマでは水道橋まで建設しましたが、中世では「水の利用」に関する文明度はむしろ退化してしまいます。
 人口の増加と集中は、水の汚染もまねきました。科学が発達して水の浄化ができるようになりましたが、汚染はますます深刻になっていきます。さらに現在は「水を無駄遣いしている地域」と「水が質量ともに不足している地域」とに地球は分かれています。洪水防止や水の効率的な利用のためにダムが建設されますが、下流への泥土の供給減少によって土壌がやせるなどの“副作用"が生じています。現在は「たくさんの資産を持つ人」が「富豪」ですが、将来は「たくさんの水を支配する人」が「富豪」になるかもしれません。


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