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2018年10月19日07:37

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読んで字の如し〈人偏−6〉「代」

「代休」……代わりに休んであげる
「代金」……代わりのお金
「代官」……官僚の代わり
「代理」……理論の代わり
「餅代」……餅の料金
「飯代」……お茶と箸は別
「車馬代」……馬車で来たら払いやすい
「三代続いた江戸っ子」……宵越しの金も持たない気っぷのいい人が三代前のことにこだわっている
「五代将軍」……徳川綱吉がすぐ出たら大したものだが、藤原頼嗣と足利義量もお忘れなく

【ただいま読書中】『ソーセージの歴史』ゲイリー・アレン 著、 伊藤綺 訳、 原書房、2016年、2200円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4562053259/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4562053259&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=3f12bc6c047a9c20b3ce50a4a5bc2f49
 一昨日『ホットドッグの歴史』を読んだので、その関連で今日の本を選択しました。
 ソーセージが誕生するためには、3つの理由が必要でした。
1)獲物の大きさ:扱いやすいように細かくする必要があります。
2)肉が腐りやすいこと:腐りにくいように燻製・乾燥・塩蔵するテクニックは、人類の文化の最初期から始まっていました。
3)無駄を出さない:せっかく獲った獲物だから、肉も内臓も捨てたくない。
 3000年前の古代エジプトの壁画には、生贄の牛の血からソーセージの一種を作っている場面が描かれています。『オデュッセイア』(ホメロス)には「山羊の胃袋に脂と血を詰めたもの」を料理する場面があります。
 ところで「ソーセージの定義」は? 実はこれが難しい。世界中にさまざまな「ソーセージ」が存在して、定義を始めたら身動きが取れなくなるのだそうです。本書でも世界のさまざまな「ソーセージ」をざっと紹介したあとで、「ミートボールは?」「クネルは?」「餃子やラヴィオリは?」と問いかけて、著者も私も頭が混乱することになります。
 「ソーセージsausage」の語源はラテン語の「salsus(塩漬け)」で、だからでしょう、ほとんどのソーセージには塩が加えられます。あとはもう、ほとんど何でもあり。脂肪たっぷりで味が濃厚だから、マスタードが添えられるのは“定番"です。
 「ソーセージ」はしばしばペニスの隠喩として用いられます。フランクフルトソーセージの呼び名「ホットドッグ」「ウィンナードッグ」はどちらもずばりペニスの隠語ですし、他のソーセージも“この方面"では大活躍をしています。
 また「混ぜ物の正体に対する不信感」から政治不信などを象徴するものとしても「ソーセージ」は使われてきました。ただ「普通なら捨ててしまう部位」を美味しく食べるための手段として、ソーセージは非常に魅力的なものでもあります。
 古代ギリシアや古代ローマではさまざまなレシピの「ソーセージ」が食べられていました。有名な美食家アピキウスは、ソーセージに使う最高の肉はクジャク、次いでキジ、ウサギ、鶏が続き、豚は最下位、とランクづけをしていました。「暗黒の中世」ではソーセージに関しての言及は減りますが、ルネサンスでまた料理書が書かれるようになり、ソーセージが再登場します。その中には、獣肉だけではなくて、魚肉ソーセージもあり、小型のサメを使ったものはもしかしたら日本のカマボコやちくわに近いものだったかもしれません。
 もっとも多種多様なソーセージが作られているのはヨーロッパですが、それは豚の飼育数と関係があるかもしれません。
 「イタリア」はまだ統一されてから1世紀半、ソーセージはだから各地でまったく違ったものになっています。イタリア人の多くは隣町の食べものを「外国の食べもの」と見なすのだそうです。だから「サラミ」はイタリアのどこでも「サラミ」ですが、実は数百種類あるそうです。
 フランスはイタリアよりは統一されているのですが、ソーセージのタイプは山ほどあります。他国から取り入れたものもちゃんとフランス風に変えてしまいます。
 ドイツのソーセージは千種類以上(数えるのが大変だったでしょうね)。ドイツでは「地域別」よりは「ソーセージのタイプ別」の分類が好まれています。
 イギリスの冷涼な気候はイタリアのようなドライソーセージ製造には向きません。だから乾燥熟成ではなくて加熱処理をされ、新鮮なうちに食されることになります。
 オランダ、スペイン、中央ヨーロッパ、バルカン……実にさまざまな「ソーセージ」が紹介されます。
 そしてアメリカ。各国の移民が自分たちの食べものを持ち込んだ巨大国家ですが、移民がやって来る前からアメリカ先住民は「ソーセージ」を作っていたはず、が著者の推測です。初期の(イギリスやオランダからの)移民はソーセージにあまり貢献をしませんでしたが、あとからやって来たドイツ系の移民は、優れたソーセージを多数アメリカに持ち込みました。ただ「ヨーロッパの伝統」はすぐに「アメリカ風」に変えられていきます。
 中国では、紀元前600年頃(春秋戦国の戦国時代、ですね)からソーセージが作られていました。当初は、豚ではなくて山羊肉や仔羊肉が用いられていたそうです。アジア各地にもソーセージがありますが、なぜか日本には「伝統のソーセージ」がありませんでした。1950年代に開発された魚肉ソーセージが「日本のもの」と言えるかもしれませんが。
 珍しいソーセージとして、菜食主義者用のものもあります。肉の増量剤ではなくて“主菜"として野菜を使ったソーセージって、どんな味なんでしょうねえ。


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