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2018年07月23日06:38

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暖房と調理

 昔々、焚き火が主要な熱源だった時代には、そこで体を温めると同時に料理もやっていたはずです。文明が発展して西洋では暖炉ができたらそこで調理もしていましたし、日本なら囲炉裏が暖房と調理の兼用でしたね。ところが現代では、暖房と調理は分離してしまっています。エアコンで料理はできません。だけどこれって、ちょっともったいないエネルギーの使い方ではないです? 将来エネルギー危機が来たら、また暖房と調理は“合体"する、なんてことはないのかな?

【ただいま読書中】『警視庁生きものがかり』福原秀一郎 著、 講談社、2017年、1300円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4062206838/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062206838&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=367ddff0d3508b98ce40cdac54217f1c
 2002年10月、警視庁生活安全部に生活環境課が創設され、著者は第三係主任として着任、環境事犯(産廃の不法投棄、絶滅のおそれのある動植物の密輸や売買)を専門に手がけるようになりました。
 「へえ、そんな“仕事"があるんだ」と一瞬思いますが、たしかにそういった「犯罪」を目撃したらどこに連絡したらよいかと言えば「その部署」になるのでしょうね。
 しかし、動物園からレッサーパンダを盗む、なんて、よく思いついたものだとある意味感心します。盗んだあとはちゃんとインターネットなどで密売ルートがあって……って、買う方も買う方だな。
 しかし、盗んだは良いが(いや、良くないのですが)飼育が難しい動物は平気で死なせてその辺に死骸を投棄したり、珍しい亀の雄だけ盗んで動物園の繁殖計画を滅茶苦茶にしたり、動物泥棒はやることが阿漕です。
 捜査の結果“救出"された動物は「証拠品」で、生かしておく必要があります。押収した動物が「盗まれたものと同一である」ことの証明も必要ですし(専門の学者に鑑定をお願いします)、密輸品の場合その受け入れ先を探す必要もあります。「警察の仕事」としてはなんだか異色な雰囲気です。カメや爬虫類の場合、野毛山動物園が「受け入れ先」と名乗りを上げてくれてから、捜査は格段にやりやすくなりました。いくら「生きものがかり」とは言え、カメの世話をしながら捜査をするのは大変ですから。なお、野毛山動物園から他の動物園に個体を譲るのは、環境省の許可があれば可能だそうです。
 「生きものがかり」は国内法だけではなくてワシントン条約などにも通じている必要があります。また、動物だけではなくて植物の密輸にも対応する必要があります。これは大変です。植物はごそごそせずに隠しやすいですから。さらに「違法行為」だとわかっても、きちんと立件するためには手続きをきちんと踏まなければなりません。これは面倒です。でも著者は地道に捜査を続け地道に知識を増やし人的ネットワークを広げていきます。
 なお、日本に密輸された動物を原産国に返せないか、と思うのは普通ですが、実はそれは生態系にとってとても危険な行為になるのだそうです。その詳しい理由は本書をどうぞ。
 そうそう、生きた上海ガニを輸入して料理して食べるのはOKですが、それを生きたまま店で販売したり繁殖させたら法律違反になるそうです。それなら最初から生きたままの輸入を認めない方が話は早い気がするんですけどね。抜け道を最初から用意しておいて許可するって、何なんだろう?
 法医学分野で警察の死体検案をする人の本では「死体」から事件について様々なことがわかる、とありましたが、本書では「生きもの」からも事件についてあるいは人間社会について様々なことがわかるようです。ちょっと視点を変えるだけで、世界は様々な姿を見せるんですね。


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