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2018年07月15日06:36

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三次元の水泳

 私にとっての水泳とは、プール・川・海で行うものですが、どれも「水の表面」でばちゃばちゃするだけのもので、いわば「二次元」のものです。「潜水」と言っても素潜りですから「表面」に含まれるでしょう。それに対してアクアラングの潜水は海の「中」に入り込めるわけで、「三次元」の世界です。私のすぐ身近に私にとっての「未知の世界」があり、そこに入れる人がいる、というのはちょっとうらやましい思いです。

【ただいま読書中】『アクアラング潜水』須賀次郎、浅見国治 著、 ダヴィッド社、1966年、580円
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000JAAUDI/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000JAAUDI&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=d7e703b04903e8f2c37519315284528c
 古い本ですが、それだけ「基本」に忠実なのではないか、と読んでみました。「アルキメデスの原理」「パスカルの原理」などが登場し、さすが昭和の本と思います。「○○の原理」が登場した時点で読者は目をそらしてしまう、と21世紀の編集者は主張しそうな気がするものですから。だけどそれを理解していないと「このボンベで何分間潜れるか?」の問題が解けないことになります。
 「アクアラングでの潜水中の事故」で有名なのは「潜水病(減圧症)」ですが、実際に多いのは「溺れ」だそうです。空気を吸っているから溺れる心配はないはずなのに、パニックになってレギュレーターを口から外してしまったりして溺れてしまうのだそうです。冷静さが大切なんですね。
 潜水病を理解するには「気体は高圧だと液体に溶けやすくなる」ことを理解する必要があります。すると、減圧されると溶けにくくなる。だから減圧を急に行うと、肺に届く前に血管の中で血液に溶けこんでいた窒素が「溶けた気体」から「気体」になってしまって、「空気塞栓」を起こしてしまいます。これは困るので、ゆっくりゆっくり減圧する必要があります。
 水中銃に関する安全対策も、神経質すぎるくらい細かく書いてあります。
 活字の雰囲気や組み方など、紙面からは「昭和」が立ち上ります。ただ、書かれている内容はたぶん今でも通じることばかりではないかな。「物理や科学の法則」も「人体の機能や構造」も変わってはいませんから。


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