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2018年06月25日10:09

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数学は正しいか?

 数学的実在論というのがある。数学的実体が人間の心とは無関係に実在しているという考えだ。われわれは所詮人間としての思考の外へ出ることができないので、そのことを実証するのは難しい。
 しかし、「数学は正しいか?」と問われれば、正しいと言って良いだろう。数学は公理を前提としてア・プリオリな論理を演繹していくものだからである。ここで言う「論理」は論理学でいうところの無矛盾律であるとか推論規則とかの狭義の論理のことである。私達は論理によって考えるのであって、原則的には論理に反したことは考えることはできない。
「原則的に」とことわりを入れたのは、私達は言葉や記号を媒介に考えるのでときには論理の適用を間違えるからである。例えば、「1+1=3」と書き間違えることはある。しかし、誰もいない部屋に一人の人が入り、さらにもう一人は行った時、あなたは部屋に二人の人がいると考えるはずだ、決して3人いるとは考えない。論理に反して考えることはできないというのはそういう意味である。
 論理からなる数学が間違っているならば、それはとりもなおさず論理が間違っているということになる。しかし、正しいとか間違っているという判断も論理によってなされるのである。ア・プリオリな論理というのも、人間が偶然による進化によって獲得したものだとも考えられる。超越的な視点から見れば論理というのももしかしたら間違っているということも言えるかもしれない。しかし、われわれの言う「正しさ」というものは、われわれの持つ論理によって与えられたものなのである。カント的に言えば、この世界の整合性というのも我々の持つ論理によって構成されている。

もし、ア・プリオリな論理に整合性がなくなったら、世界はカオスとなってしまうだろう。三角形が同時に円であったり、結果が原因より先に生じたり、饅頭5個の方が3個より少なかったり、そのような状況が出来するはずだ。
 


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