mixiユーザー(id:235184)

2017年11月18日07:42

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軽薄信号

 平成生まれの人たちと話していると「ブラウン管」とか「黒電話」が通じにくいことが多くなっていますが、そのうちに「交通信号」についても話が合わなくなりそうです。かつての電球式の信号はどんどんLEDに置き換わっていますが、これは同時に信号機自体の厚みが薄くなることを意味しています。横から信号を見て「ほー、薄くなったなあ」と言ってもそのうち通じなくなるのでしょうねえ。ま、信号を横から見る人はあまりいないだろうから、特に不便があるわけではありませんが。

【ただいま読書中】『虎丘雲巌寺』水上勉 著、 作品社、1979年、980円
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J8HDWG/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000J8HDWG&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=797fad9c546560d030599c12b3074e3c
目次「大連逢阪町」「小孩」「こおろぎの壺」「揚州一景」「寞愁湖岸」「虎丘雲巌寺」「金銀」

 肺結核を抱えて19歳で満州に渡った「ぼく」は、慣れない環境と言うことを聞かない(というか、そもそも言葉が通じない)中国人に戸惑いながら働き始めます。しかしすぐに喀血、帰国。そして、40年が経過してまた中国に渡った「私」は、若かったときのことを反芻します。「ぼく」は少年時代に禅寺に入って得度していますが、その過去もしきりに蘇ってきます。禅は中国から日本に渡ってきましたが、その「ルーツ」を著者は求めています。それも寺から「脱走還俗」した身としての欲求ですから、ちょっと屈折しています。さらに、禅は日本にその教えを伝えたあと、中国では勢いを失い、そして文化大革命の文化破壊運動によってとどめを刺されてしまいました。その破壊の跡を見ながら、著者は自分と禅宗の過去を“見つめ"ています。


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