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2017年09月22日07:48

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行ったり来たり

 『ノービットの冒険』(パット・マーフィー)という本を読もうとしたらその副題が「ゆきて帰りし物語」でした。これは『指輪物語』の中で、ホビットのビルボ・バギンズが以前の自分の冒険を書いた本のタイトル(つまりこの世界だと『ホビットの冒険』と呼ばれる本のこと)です。あれれ?と思って解説をまず開くと「『ホビットの冒険』をスペース・オペラの舞台にうつしたもの」とあるじゃありませんか。だったらまず元ネタの方を読み返す必要があるでしょう。5年前に読んでいますが、細かいところは完全に忘れていますので。

【ただいま読書中】『ホビットの冒険』J・R・R・トールキン 著、 瀬田貞二 訳、 岩波書店、2002年、2800円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4001156792/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4001156792&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=3ad3449f68dd21c08f6dd360685a32f2
 まずはホビットの説明から。ドワーフ小人(白雪姫)よりは小さくて、リリパット小人(ガリバー旅行記)よりは大きな小人です。ひげと魔力は持たず、丘をくりぬいた立派なトンネル住居に住み、姿を隠す名人で、大食漢です。まず登場したのは、くつろいでいるビルボ・バギンズ。そこに山の向こうから魔法使いのガンダルフがやってきます。冒険に勧誘されたビルボはにべもなく断り、ガンダルフはあっさり引き下がりますが、翌日ビルボの家にドワーフ小人が次から次へと押しかけてきます。なんと13人、そしてガンダルフも。白雪姫は7人の小人ですが、ビルボは13人のドワーフと魔法使いなのです。
 ドワーフたちはかつては繁栄した谷間に住んでいました。しかしそこを悪い竜スマウグに襲われ、ほとんどの住民は殺され宝物はすべて奪われていました。それを奪還しよう、というのが今回の「冒険」です。そういった冒険への義理も意欲もないビルボは当然拒絶反応しか示しませんが、何がどうなったのかいつの間にか冒険の一行に加わっていました。
 エルフのエルロンドの館で夢のような日々を過ごした後、一行が出会ったのは3人の凶暴なトロル、次が凶悪なゴブリンの大軍、そしてゴブリンに連れ込まれた地底の闇の中でビルボは一行からはぐれ、“宝”とゴクリに出会ってしまいます。ビルボがやっと一行と再会できたら、こんどは凶悪なオオカミたち。さらにガンダルフと別れた後、いろいろあって森のエルフたちに一行(13人のドワーフとビルボ)はとっ捕まってしまいます。エルフというから「悪者」ではないのですが、ビルボがエルフの館で夢中になったエルフたちと比較したらまるで野蛮人でした。いやもう、危機また危機のてんこ盛りです。映画化するのに3本必要だったわけもわかります。
 それでも一行はやっと竜が住む峰の近くまでやって来ることができました。南側の表門から堂々と入るのは危険すぎます。ドワーフたちが望みを持っていたのは西側の隠し入り口です。しかしそこには魔法がかけられていて、魔法が使えないドワーフ(とホビット)は手も足も出ません。それでも何とか侵入すると、そこには竜のスマウグが宝物の山を蒲団代わりに獲物がくるのを待ちかまえています。しかし、ビルボが得た情報によって、ついにスマウグは退治されてしまいます。めでたしめでたし……ではありません。竜がいなくなった「宝の洞窟」に、欲に駆られた人間やエルフが群がってくるのです。そのため、ビルボたちはこんどは竜の代わりに人間とエルフの合同軍によって洞窟に閉じ込められてしまうことになってしまいました。さらにそこにドワーフの援軍が到着し、交渉が決裂して戦端が開かれようとしたとき、こんどはゴブリン軍とオオカミ軍が到着。のちに「五軍の戦い」とよばれる決戦が始まったのです。
 このあたりで私は「指輪物語」よりも「ナルニア」の方を連想していました。ナルニアほど宗教色はありませんが、はらはらドキドキとか戦いの有様のスケール感が似ている気がします。となると、こんどはナルニアを読み返すことに?


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