mixiユーザー(id:235184)

2017年07月27日18:29

119 view

規則

 安倍首相って、「丁寧な説明」とは「丁寧な口調の説明」だと独自の解釈をしているようですが、同様に「ルール」に関しても独自の解釈がありそうです。もしかして「自分はルールを守る人」ではなくて、「守りたいルールだけ守る」「ルールは自分が定める」とでも思っています?

【ただいま読書中】『アメリカ暗殺の歴史』ジェームズ・マッキンレー 著、 和田敏彦 訳、 集英社、1979年
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J8JK2C/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000J8JK2C&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=f72c58e2d34fd4817ec7467989bed04d
 リンカーン暗殺は、最初は誘拐として計画されました。ブースは劇場でリンカーンを襲って縛り上げ、共犯者と外に運び出すつもりだったのです。リンカーンはあまりに多くの脅迫に、一種の「慣れ」が生じたらしくボディーガードの増強には不熱心でした。そして暗殺によって、リンカーンの「敗者である南部に対する寛大な方針」も“殺され”ました。
 JFKの時と同じく、様々な「陰謀論」がリンカーン暗殺でも唱えられました(リンカーン夫人が“犯人”という説まであったそうです)。「暗殺で利益を得たのは誰か」という観点からは、南部は外されます。明らかな不利益を被りましたから。著者は陸軍長官スタントンに疑惑の目を向けています。状況証拠しかありませんが、とっても怪しい、と。
 暗殺は「変革の手段」として有効だ、ということが認識され、以後のアメリカでは「暗殺」が次々行われるようになりました。リンカーンの後を継いで大統領となったアンドルー・ジョンソンは、在任中に13人の高官が撃たれうち12人が殺される、という恐ろしい体験をしました。次のグラントの2期8年の間に撃たれた公務員(保安官、収税吏、知事など)は20人(殺されたのは11人)。同じ時期に世界中でも多くの人が暗殺をされました(そういえば日本でもこの時期暗殺は“流行”していましたね。幕末には暗殺の嵐が吹き荒れていましたが、「明治の暗殺」でも私が思い出すのは、大村益次郎・大久保利通・森有礼……日本人も実は暗殺が大好きだった?)。そして、またもや「アメリカ大統領」ガーフィールドがピストルで撃たれます。そして、マッキンレー大統領も(ついでですが、マッキンレーの国務長官ジョン・ヘイは、ガーフィールドの友人でかつてリンカーンの秘書もしていました。3つの大統領暗殺が時代的にずいぶん接近していたことがわかります)。
 「犯人は精神異常」「謀略説」がどの暗殺でも声高に唱えられますが、それをきちんと追究する試みはされていません。本書で著者は「暗殺された人」と「暗殺者」のそれぞれの人生を対比させています。移民の成功者と失敗者、というきれいな対比もありますが、なぜこの人が殺しこの人が殺されなければならなかったのか、わけがわからない例もあります。
 そして本書半ばで、JFKが登場します。これも「陰謀説」が声高に唱えられましたが、そういった説を唱える人って、何か証拠を掴んで言っているのでしょうかねえ。結局「犯人」とされたオズワルドはあっさり“証拠隠滅”されてしまったため、事件の真相は闇へ。陰謀説を唱えたくなる気持ちもわかります。
 ケネディーの次は、黒人2人。マルカムXとキング牧師です。こちらも「謎」だらけ、とくにキングを撃ったとされるレイについてはあまりに胡散臭い話がてんこ盛りで、私まで謀略説に加担したくなってしまいました。そして本書の最後はロバート・ケネディー。犯人の主張はなんだかわけがわかりません。
 暗殺やテロは、政治や社会を変えるのに有効であることが本書からはよくわかります。ただ、犯人が望んだ方向に変わることはあまりないようですが、少なくとも多くの人にとっては住みにくい形になることは間違いないようです。それはあまり嬉しいことではありません。


0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年07月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031