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2017年07月14日18:42

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閉会中審査

 安倍首相がやっと出席するそうです。どうせ出席するのなら、いじいじと気を持たせるようなそぶりはせずに潔く最初からすぱっと動けば良かったのに、と私は思います。ご本人は「真打ちは最後に登場するものだ(=自分は水戸黄門(の印籠)だ」と主張しているのかもしれませんが、こちらからは(主張の真偽はともかく態度が)「潔くない」と感じられるんですよね。昭和時代の男女差別の言葉を使って良いのだったら「その態度は男らしくない」がふさわしいような気がします。

【ただいま読書中】『ガン回廊の朝(上)』柳田邦男 著、 講談社(講談社文庫)、1981年、380円
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4061341413/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4061341413&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=6c0b9bbcd9e95763dca72f7dfcc5d297
 文庫は81年なんですね。すると私が単行本で読んだのは70年代ということになります。それ以来の再読ですが、初めて読んだときの強烈な読後感が、ページを読みながら蘇ってきました。
 昭和37年(1962)に開設したばかりの国立がんセンターの総長が胃癌で手術を受けるところから本書は始まります。胃の造影検査で診断をつけ、手術、抗癌剤の投与。昭和30年代の診療ですから、まだ“古い”点はありますが、当時としては最新の医療でした。
 がんセンター設立の裏話は非常に面白いものです。個性的な面々がそれぞれの主張を声高に叫び、根回しをし、ときには妨害工作をし、それでも「良い病院(と研究所)」ができあがっていく過程が非常にダイナミックに描かれています。特に「学閥無視」「各科は対等」「病院組織は、縦割りではなくて横割り」という当時としては画期的なポリシーが非常に印象的です。
 集められた医師は個性的な面々。共通しているのは「アンビション」「不遇」「執念」でしょう。たとえば胃の二重造影法を千葉大学から国立がんセンターに持ち込んだ市川は、その師匠の白壁ともども上記の3つのキーワードをすべて兼ね備えています。執念の対象は「胃の早期がんの発見」。それまでは偶発的にしか発見できなかった胃の早期がんを、意図的に発見して患者を助けようとしていたのです。その「アンビション」は、胃カメラチームや外科医たちも共有しています。彼らは熱い議論を行いますが、それは「対立」ではなくて「正しい診断と治療をしたい」という思いを共有する作業へと変わっていきます。
 本書を読むと、昭和30年代の日本の医学がいかに遅れていたか、しかしその中でも医学に変革をもたらそうとしてもがいている人たちがいたことがわかります。「未来」の視点からは「過去」を「遅れている」と簡単に言えますが、それが言えるのは「現在」を変革しようと超絶の努力をした人たちがいたからです。だったら私たちは、どんな努力をするべきなのでしょう?


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