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2017年07月12日18:54

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ギャンブル依存症対策

 「ギャンブル依存症対策 パチンコの出玉規制強化へ」(NHK)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170711/k10011053101000.html
 この対策が本当に有効なのだったら、麻薬中毒の人には「薄めた麻薬」を供給したら麻薬中毒が治ると言うことに? むしろ「パチンコ店で標準的な4時間の滞留時間」が6時間とか8時間になるのがオチではないかなあ。
 ほんとうにギャンブル依存対策をするのだったら、見当外れの小手先の対策に夢中になっているよりは、依存症の治療機関を日本中に設置する方が有効だと思います。

【ただいま読書中】『犯罪捜査の心理学』越智啓太 著、 化学同人、2008年、1400円(税別)
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 殺人事件の動機のほとんどは「愛」か「金」です。しかしそれに当てはまらない「連続殺人」は捜査が困難でした。そこでFBIは、多くの連続殺人事件のデータをデータベース化して科学的に分析しようとしました。そこからは現場や行動のタイプが「秩序型」と「無秩序型」に分類でき、さらに「秩序型」の犯人は「知的水準が高く専門職」、「無秩序型」の犯人は「知的水準が低く社会的に孤立している」という特徴を持つことが見えてきました。「プロファイリング」の誕生です。
 もちろん手口をころころ変える連続殺人犯のプロファイリングは困難です。しかし犯罪現場は犯人の「欲望(多くは性欲)」表現の場ですから、手口を変えることは犯人にはメリットがありません。
 FBIはプロファイリングを連続殺人から、他の犯罪への応用に研究を進めました。放火については研究は上手くいきませんでしたが、レイプや子供に対する性犯罪については比較的上手くいきました。さらにデータが集まるにつれて、犯人の各行動の「相関」を係数として数値化し、それを統計的に最小空間分析で処理して空間マップに表現する手法がゴッドウィンなどによって開発されました。こちらは「リヴァプール方式」と呼ばれますが、これで多くの犯人が共通して取るであろう行動と、その個人特有の行動とが視覚的にわかりやすく表現できるようになりました。また、FBIの分類で「混合型」が生じる原因もリヴァプール方式で見えてきました。
 「文化の違い」については、フィンランドと日本のレイプ犯についてのSSAプロット図が掲載されていますが、類似性が目立つのが興味深く感じられます。レイプ犯の心理に国の差はあまりないようです。
 プロファイリングは「犯人像」を推定する技術として開発されましたが、もう一つ「地理的プロファイリング(犯人の居住地、次の犯行現場の予測、など)」があります。地理的プロファイリングが特に有用そうなのが、連続放火事件です。犯人には「拠点モデル(自宅を中心に活動)」と「通勤モデル(自宅から犯行地域にやって来てそこで活動)」の二つのパターンがありますが、そこに様々な仮説を重ねることで「犯人の自宅」を割り出そうと研究が進められています。
 ストーカーについての分析も紹介されています。ストーカーは5種類に分類されていますが、実はどのタイプもけっこう危険です。脅迫・暴行・器物損壊を引き起こす%はどれも高いのです。「たかがストーカー」とは言えません。「タイプ」ではなくて「個別の危険性」を評価するために、ロジスティック回帰分析が行われています。興味深いのは、精神疾患や妄想を持っている者の方が暴力に出る傾向が少ない、ということでした。日本でも印象論や思い込みでストーカーについて語るのではなくて、きちんとデータを集めて科学的な分析をする必要がありそうです。
 こういった科学的な手法は、犯人の早期逮捕に有効でしょうから、どんどん開発されて欲しいものです。ただ、そのためには「データ」が大量に必要です。ということは「犯罪がたくさん行われること」が必要になってしまいます。……う〜む、それは嬉しくないですねえ。


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