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2017年02月05日11:53

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仮の姿か本当の姿か?

 「本当は優しい子」は「どう見ても乱暴な子」。「やればできる子」は「やらないからできない子」。「明日からやる」は「今日はしない」。

【ただいま読書中】『金鳥の夏はいかにして日本の夏になったのか?』金鳥宣伝部 編、ダイヤモンド社、2016年、1500円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B01LMP9QQ0/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B01LMP9QQ0&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 恩師福沢諭吉の緣で除虫菊を手に入れた上山栄一郎は「蚊取り線香」を創案しました。はじめは棒状の線香だったのを、煙を増やしてしかも長時間、ということで現在の渦巻き状のものを開発します。広告にも最初から熱心で、1930年代には海外にも広告を展開。戦後はラジオCMやホーロー看板を全国に展開しました。民放テレビの放送が始まるとすぐにテレビCMも制作。後の専務が3歳の時に子役で出演したものもあります。そして1966年、桜井センリの「ルーチョンキ」。このCMは大ヒット、売り上げは前年比7倍! いや、覚えていますよ。翌年は美空ひばりを起用、そして68年から「金鳥の夏、日本の夏」シリーズが始まります。
 「金鳥の夏、日本の夏」シリーズとは“別路線”で金鳥のCMはインパクトの強いものが多い印象がありますが、それには「宣伝部が社員二人だけ(しかもその一人は社長兼営業部長)」だったことが大きく作用しているそうです。とにかく話がまとまるのが早いのです。そして「他とは違うものを求める姿勢」。そういえば蚊取り線香も、他社の多くは右巻きなのですが、金鳥も手巻きの時は右巻きだったのを(右利きにはその方が作りやすいそうです)、機械を導入するときに敢えて左巻きに設定したそうです。
 「インパクトが強いCM」の代表は「タンスにゴン」です。あまりにインパクトがあったため、金鳥にはクレームの電話が殺到。「ゴンさん」からは「なんで自分の名前を勝手に使うんだ」、CMの中で「山田さんの奥さんも大変よね」とあったため山田さんからは「子供が学校でいじられている」。何時間ものクレーム電話もあったそうです。しかし営業部長は「苦情があるということは反響があるということ」と動じなかったそうです。そういえば「クレーマーそのものをCMに登場させる」という挑戦的なCMもあったそうです。
 意外性のあるネタと現場の自由さ、意外なキャスティングとシュールな設定、そしてちょっぴりの悪意。「なるほどねえ」と言いたくなります。俳優さんは大変そうですが。最初の「タンスにゴン」に出演した木野花さんともたいまさこさんのインタビューがありますが、二人とも言葉に「泣き」が入っています。
 そういえば「お前の話はつまらん」もインパクトがありましたが、あれも最初は全然違う設定で始まって、現場でどんどん台詞を変えていって最後に「ぴたっとはまった台詞」があれだったのだそうです。
 近藤正臣さんの狸(と河童)、山瀬まみさんの河童も面白かった。これもお二人のインタビューが笑わせてもらえます。
 金鳥のターゲットは「虫」ですから、ゴキブリ以外はどうしても「夏のもの」になってしまいます。でも温暖化の時代。「夏」がどんどん長くなって、金鳥CMの“賞味期間”はどんどん長くなっていったりして。


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