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2016年12月25日07:58

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今の14歳と昔の14歳

 「史上最年少プロ棋士 デビュー戦で現役最年長と対局」(NHK)http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161224/k10010818881000.html
 中学二年生でプロ棋士(将棋プロ四段)となった藤井さんのデビュー戦の相手が、現役最年長(現在76歳)の加藤九段なんだそうです。加藤さんは藤井さんに破られるまでは「プロ入り最年少記録」を持っていて(藤井さんは14歳2箇月、加藤さんは14歳7箇月)、かつての神童と今の神童が対決しているわけ。さて、藤井さんは76歳まで現役を続けられるかな? 続けて欲しいな。

【ただいま読書中】『時間生物学とは何か』アラン・レンベール 著、 松岡芳隆・松岡慶子 訳、 白水社(文庫クセジュ)、2001年、951円(税別)
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 生物は固有のリズムを持っていますが、その周期は「概日(サーカディアン)リズム(おおむね24時間)」「ウルトラディアンリズム(概日より短い)」「インフラディアンリズム(概日より長い)」に3分されます。この3つは複雑に絡み合っているため、研究者は自分が何を研究しているのか常に意識する必要があります。さらに、フーリエ解析のような手法も必要になります。
 解剖学は「where」に対して回答を出そうとする学問ですが、時間解剖学は「when」に対して答えようとします。つまり、時間生物学では「生物」は「空間の中で生きているもの」ではなくて「時空間の中で生きているもの」なのです。
 恒温の洞窟などへの隔離実験があちこちで行われていますが、著者たちが行った実験では面白い結果が得られました。外部から時刻情報が与えられないと「1日」は「24時間」から少しずつ延長し、それには個人差があります。ところが集団で隔離すると、「24.8時間」または「25.2時間」でそのグループは「社会的な1日」を生きるようになったのです。
 驚いたのは、厳密なホメオスタシスの信奉者たちが「生物には恒常性があるのだから、時間による変動など研究することは無駄である」と言い切っていたため時間生物学の発展が阻害された、と本書にあることです。それって本当なのでしょうか。私の理解では「ホメオスタシス」は「動的な平衡」であって「静的な安定(固定)」ではありません。つまりホメオスタシスは変動するからこそホメオスタシスなのです。そしてその「変動」に「時間的変動」は当然含まれる、が私の理解です。
 ホルモンの分泌には日内変動があります。病気の発生にも、発生しやすい時刻や季節があります。さらに薬の効き具合にも時刻による変動があります。すると、ある疾患を治療するためには、疾患と薬のそれぞれの「時間生物学(時間病理学や時間薬理学)」を考慮する必要がありそうです。
 本書の最後に「夜勤と昼勤の交替勤務者のほとんどは、きちんと適応できていない」という恐ろしい研究結果が紹介されています。掲載されているグラフを読む限り、明らかに能率が落ちているようです。ということは、国際旅客便の乗務員たちもジェットラグで疲れた状態で常に勤務をしている、ということに? これはちょっと恐い指摘ですね。「徹夜した場合、二日酔いとほぼ同じレベルの能率」という文献の紹介をどこかで読んだ覚えがありますが、「二日酔いと同等のパイロット」が操縦するジェット旅客機に乗りたいと、思います?


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