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2016年09月10日06:50

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クロス

 十字架って、何と何が交叉しているのでしょう?

【ただいま読書中】『質量分析法』荒木峻 著、 東京化学同人、1960年(78年3版)、1800円
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000J8MIX0/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000J8MIX0&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 田中耕一さんの質量分析について読んだら、“その前”はどんな時代だったのかを知りたくなって、古い本を発掘してきました。
 質量分析はけっこう古い歴史を持っています。1910年にJ.J.Thomsonは電界と磁界を用いて質量の異なるイオンの分離測定に成功し、Astonの協力でネオンの同位体を発見しました。AstonはThomsonの装置を改良し、現在私たちが知っている同位体のほとんどを測定してしまいます。
 質量分析装置は「イオン源(気相イオンを作る)」「アナライザー(質量対電荷比に従ってイオンを電磁分離する)」「検出・記録」で構成されます。田中耕一さんはこの「イオン源」の開発でノーベル化学賞を与えられたわけです。
 本書はさすがに古くて、ガスクロマトグラフィーが「新しい方法」として紹介されています。質量分析をする前段階にガスクロマトグラフィーを用いて試料を処理しておいてから測定、という手順です。分析される試料は、無機物や低分子の有機物(メタンやブタンなど)で、田中さんが分析に成功したタンパク質まではまだまだ道は遠いぞ、と言った感じではありますが、これが当時は「最先端の科学」だったんですよね。そういえばこの時期、ガスクロマトグラフィーについて私も大学でちょっと教わりましたが、そういったことができる、というだけですごいなあと思いましたっけ。
 本書では「自分で測定する」「自分で計算する」ことが基本とされています。今の測定装置は、試料をセットしたらスイッチオンであとは結果が出るのを待つだけ、で、検査結果の解析には頭を使いますが分析そのものはブラックボックス化しています。つまり人はまったく理解せずに質量分析を使っている可能性があります。技術は進歩したのですが人の頭はそれに追随して進歩しているかな?


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