mixiユーザー(id:235184)

2016年07月07日06:34

169 view

むかしから少子化?

 「むかしむかし」「あるところに」住んでいる「おじいさんとおばあさん」の物語には、なぜか「実子」が登場しないことが多い印象を私は持っています。むかしから少子化があったのでしょうか? それとも親不孝者が揃っていた?

【ただいま読書中】『眠れる森の美女 ──シャルル・ペロー童話集』シャルル・ペロー 著、 松村潔 訳、 新潮社、2016年、430円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4102200215/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4102200215&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 目次「眠れる森の美女」「赤頭巾ちゃん」「青ひげ」「猫の親方または長靴をはいた猫」「仙女たち」「サンドリヨンまたは小さなガラスの靴」「とさか頭のリケ」「親指小僧」
 シャルル・ペローがこの童話集『過ぎ去りし時代の物語、教訓付き』を刊行したのは1697年、太陽王ルイ14世の治下、フランスが栄えていた時代でした。ちなみにグリム童話集が出版されたのはこれから100年以上あとのことです。読者として想定されていたのは、宮廷や貴族のサロンで会話や娯楽を楽しむ人びと。その娯楽の中に「おとぎ話を即興でアレンジして物語る」というものがありました。シャルル・ペローはそれにさらに(特に若い女性向けの)「教訓」をつけたわけです。もっともこの「教訓」もまた「作品」の一部で、どこかとぼけた雰囲気を醸し出して、一座の笑いを誘うようになっています。
 しかし、『眠れる森の美女』では、王子のキスで目ざめた王女がすぐに王子と結婚し、100年も寝ていなかったからその初夜では一睡もする必要がなかった、なんてくだりは、明らかに大人向けですねえ。
 「赤頭巾ちゃん」では、赤頭巾ちゃんが狼に食べられたところで話が終わってしまいます。その前に服を脱いでベッドに入っていますから、「娘が狼に食べられる」が何の比喩かは丸わかりです。
 洒脱な語り口に翻訳された「童話」ですが、サロンでこんな話をしたら受けたでしょうね。日本だったら炉端での昔話、ということになるので、もう少し違った語り口が必要になりそうですが。


0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年07月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31