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2016年06月19日07:52

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人を見る目

 「人を見る目がある」とはつまり「人を正しく評価する能力がある」と言い換えることが可能です。では評価する側に「人を見る目がある」かどうかをどうやったら正しく評価できるのでしょう?
 一見簡単な気はします。「こいつは有能だ」「こいつは無能だ」と評価してもらって、本当にその通りかどうか仕事や学業の結果を見れば良い。ただ、「評価する人間」が「上司」や「教師」で「自分の評価の正しさ」を証明するために努力をするタイプ(「こいつは無能だ」と自分が評価したら、その「無能ぶり」だけを証明しようと努力する嫌なタイプ)だったら、結局「評価された人の能力」ではなくて「評価した側の“努力”」の方が強く作用しそうです。すると「評価した側の能力と人格の確かさ」に関して「人を見る目」がある人が必要になりそうですね。

【ただいま読書中】『魔法科高校の劣等生(1)入学編〈上〉』佐島勤 著、 石田可奈 イラストレーション、アスキー・メディアワークス(電撃文庫)、2011年、550円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4048705970/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4048705970&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 超能力と魔法が等しく「習得可能な技能」となった21世紀末。他の技能と同じく才能と修練によって腕は上達するため、「魔法技能士」は学校で育てられることになりました。日本にある国立魔法大学付属第一高校の定員は100名。それとその“スペア(事故などで退学した学生の穴埋め要員)”が100名。要は、エリートクラスと劣等生クラス。そこに、完全無欠のエリートである妹と、劣等生の代表(理論は完璧だが実技は全然駄目)の兄がそろって入学するところから、この物語は始まります。(なお2人は双子ではありません。兄が4月、妹が3月生まれだから同学年なのです)
 異常なくらい「お兄ちゃんラブ」の妹(可憐な美少女)、姿勢(と魔法理論)は良い兄(何かワケあり)、そこに絡むのが生徒会長(美少女、スタイル抜群、日本でも有数の有力な魔法師の家系)、いろいろ見えすぎて困るクラスメート(兄のワケも見えてしまうかも)、妹になつこうとして妹がなついている兄を敵視する妹のクラスメートたち……などなど、入学式の前からストーリー展開に関係することがたしかな登場人物が次々登場します。みんな異能の持ち主ですから、とっても楽しい高校生活のスタートです。
 新入生総代の妹は当然のように生徒会に誘われますが、劣等生の兄もそのオマケのように風紀委員として生徒会に参加することになってしまいます。実はそれは“適材適所”だったのですが。
 「学校」という舞台は、若い男女を集めるために便利なものですから、ライトノベルとしてはどうしても使いたくなるものですが、「21世紀末」「魔法」というキーワードをそこに乗せることで高校が“異世界”になってしまうところが笑えます。
 「ホウキ(法機)」と呼ばれるデバイスが呪文やジェスチャーなどを瞬時に起動させることで、この世界の魔法は起されます。この世界の魔法とこのデバイスについての解説が、実に饒舌です。あまりに饒舌なのでこれでストーリーが進行するのだろうか、と真面目に心配をしたくなるくらい。実際に、プロローグとしての第1巻で謎の提示とその一部の解明そして新たな謎が、とは全然ならず、本書では謎の提示の仄めかし、くらいで本が1冊終わってしまいました。結局このシリーズは、現時点で全19巻です。いやあ、よくも書いたり、ですね。で、私の心配は、そのシリーズを全部これから自分が読むのだろうか、ということです。いや、第1巻がなんとも面白いので、先が気になって気になって。著者の術中に私ははまってしまったようです。(この「術」というのが……って、やめておきましょう。私の思考回路まで本書の文体に似てきたら困りますから)


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