mixiユーザー(id:235184)

2015年03月27日07:56

126 view

統一地方選挙

 もうすぐ投票ということでマスコミは盛んに「選挙結果が国政を左右」なんて煽っています。だけど、国政を左右するのは地方選挙ではなくて「国政選挙」ではありませんか? 国会の雰囲気への影響はあるでしょうが、具体的にどう左右するのかもマスコミさんには言ってもらいたいものです。今回の地方選挙で与党が圧勝しようが惨敗しようが、国会議員の数は変わらないから国会での議決そのものには何の影響もないはずですが。地方選挙で惨敗したから与党から野党に変わろう、なんてことを思う与党の国会議員とかその逆とかがそんなにたくさんいるのかな。

【ただいま読書中】『ルポ チェルノブイリ28年目の子どもたち ──ウクライナの取り組みに学ぶ』白石草 著、 岩波ブックレット917、2014年、620円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4002709175/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4002709175&link_code=as3&tag=m0kada-22
 チェルノブイリから160kmの町コロステン。その小学校で著者は「子供たちが疲れやすい。頭痛や鼻血が多い」と聞かされます。チェルノブイリ事故以前と同じプログラムの体育の授業を受けることができる子供は全体の1/4。あとは検診でその授業には耐えられないとして時間や運動強度に制限が課せられています。
 もちろん「子供たちが疲れやすくなった」は“主観”です。客観データとして扱うことはできません。もし客観データとして扱えたとしても、事故前の“客観データ”がないときちんとした比較はできません。さらにその“主観”には“事故の後”というバイアスがかかっています。
 しかし、「だから“子供たちが疲れやすくなった(子供たちの健康に問題が生じている)”というのはあり得ない」と断定することは私にはできません。なぜなら私は“現場”にいませんから。知らないことを軽々しく肯定するのは軽はずみですが、軽々しく否定するのも同じくらい軽はずみな行為だ、と私には思えます。私にできることは「確からしいデータ」を自分の内部に集積することと、もし可能なら共感的・受容的なインタビューをすること、です。
 事故当時のソ連政府は「年間1ミリシーベルト」を移住の基準としました。ただし、外部被曝と内部被曝の合計値です。ウクライナ政府はソ連の「チェルノブイリ法」を継続し、被災者の移住や健康診断を支援しています。コロステンの住民はこの25年間で平均15〜25ミリシーベルトの被曝をした、と推定されています。
 こういったルポでは個別の例を積み重ねることで“事実”に肉薄する手法が普通です。本書でもその手法が採られていますが、低線量長期間の被曝、というものはあまりに“大き”すぎて「ビッグデータ」でなければ全体像を想像することさえできないのではないか、と私には思えます。さらにその研究をきちんと発表しなければなりません。本書に登場するステパノワ博士は、「ウクライナでは研究者はウクライナ語で論文を書くのが普通だったが、それでは国際的に無視されてしまう」と、70歳を超えた身でアメリカの大学と連携して論文を執筆しているそうです。さらに日本の研究者は「視察」には来るが「共同研究」をしようとしない、とご不満です。
 「チェルノブイリで子供に甲状腺癌が出るのに5年かかったから、福島で今スクリーニングをすることに意味はない」という意見があります。ところが著者がチェルノブイリで出会った医師たちは「甲状腺癌は意外に早く出ているはずだ。機器の精度が悪いからチェルノブイリではそれが見つけられなかっただけ」という意見を述べています。たしかに良い機器でその気で探せば見逃しは減るでしょう。これもまた一つのバイアス(スクリーニング効果)でしょうが。
 「バイアス」と言えば、「測定された外部放射線量と疾病の因果関係のみが科学的なデータ」とするIAEAの態度もまた「科学的バイアス」と言えそうです。内部被曝を無視し、測定されていなかったら「被曝していない」と扱うのは、被曝に対して科学的な態度とは私には見えません。そして日本政府の「チェルノブイリと福島は違う」「検診は不要」という態度にも私は“バイアス”を感じます。こちらの方は「臭いものには蓋」バイアスですが。
 実際には長期間の低線量被曝は「恐いものではない」かもしれません。ただ、それを断言するためには「データの裏付け」が欲しいところです。そのために、大規模・長期間・広範囲・無差別の検診が必要なんじゃないです?


2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年03月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031