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2015年03月20日06:55

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豚の家

 三匹の子豚は、藁・木・煉瓦でそれぞれの家を建てました。ところで彼らの親は、どんな家で彼らを育てていたのでしょう?

【ただいま読書中】『マザー・グースと三匹の子豚たち』桐島洋子 著、 文藝春秋、1978年、880円
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4766209672/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4766209672&link_code=as3&tag=m0kada-22
 未婚の母として3人の子育てをしていた著者は、30代最後の1年は「休暇」にしようと決心し、子供たち(小2、5、6)を引き連れて渡米します。流れ着いたのは、名高い避暑地イースト・ハンプトン。ただし季節は冬ですが。しかも歴史的な大寒波なのですが。
 1時間歩けば町に着く、と著者はのんびりと田舎の生活を楽しみます。子供たちものびのびと学校に通い、英語が全然しゃべれないのに友達がどんどん増えます。2箇月間のサマーキャンプでも、「不自由な生活」を“子豚たち”は満喫します。「ブロイラー」よりは「地鶏」として育ってほしい、という著者の願いは、ある程度叶えられたようです。
 本書ではアメリカという国の魅力について多く語られていますが、アメリカのおかしさも指摘されています。たとえば反知性主義。エリートはどんどん勉強するが、しない人間は生涯で一冊も本を読まず、その“格差”はどんどん拡大している。それでも昔は「生活」の中で伝承されていく知恵があったが、最近では子供たちは体だけ大きくなって野放しにされてしまっている、という危惧です。今から約40年前の本ですが、今の日本のことを言っているような気にさせられます。


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