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2015年03月18日06:44

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学のある兵隊

 日清戦争や日露戦争で日本軍が強かったのは、全く教育をうけていなかった清やロシアの兵隊に比べて日本の兵隊は義務教育をうけていたからだ、という説があるそうです。
 なるほど。もしそれが正しければ、第二次世界大戦では、ハイスクールや大学を出た兵隊を相手に高等小学校を出ただけの兵隊が苦戦をした、と言うこともできそうです。

【ただいま読書中】『テアイテトス』プラトン 著、 田中美知太郎 訳、 岩波文庫(青601-4)、1966年(2014年改版)、900円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4003580028/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4003580028&link_code=as3&tag=m0kada-22
 若き優秀児テアイテトスとソクラテスとの対話、という形式で本書は進みます。問いかけられるのは「知識とは?」。
 まず紹介されるのが、「知識とは感覚である」(プロタゴラスの説)。脳への情報入力は感覚によります。だから知識の本体は感覚だ、という考え方です。ソクラテスは「では、視覚によって得られた知識は、目を閉じたら失われるのか?」と尋ねます。そこで次に登場するのが脳に入力されたもの、つまり「思いなし(ドクサゼイン)」それも間違ってはいない「真なる思いなし」こそが知識である、という考え方です。私の言葉を使うなら「脳内に入力された情報」。しかし「思いなし」が単独で存在していることはありません。“それ”が存在している脳との相互関係があるはず。そこで「知識とは、思いなしとそれに加味されたロゴス」という説が三番目に登場します。
 こうしてみると「単純な論考を並べただけの本」のように見えますが、もちろんそんなことはありません。他の本と同様、ソクラテス(プラトンのアバター)は話をあっちに持っていったりこっちに持ってきたり、自由自在です。知恵がぽろぽろこぼれてきますが、たとえばその中には「最初から結論を出しておいてからそれを証明しようとするのではなくて、まず仮説をいろいろ考え、それぞれを検証することで結論に迫っていく態度が重要」なんて知的態度で重要な方法論も含まれています。
 プラトンは現在でも、けっこう“有効”です。


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