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2015年02月12日06:36

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地産地消

 広大な葱畑の真ん中に住んでいる人は、毎日毎日毎日毎日毎日毎日葱を食べる、ということになります?

【ただいま読書中】『勝ち逃げの女王』垣根涼介 著、 新潮社、2012年、1500円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4104750042/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4104750042&link_code=as3&tag=m0kada-22
 目次「勝ち逃げの女王」「ノー・エクスキューズ」「永遠のディーバ」「リヴ・フォー・トゥデイ」
 『君たちに明日はない』シリーズの第4巻です。「小説新潮」では2011年4月号から3箇月に1話ずつ、着実に連載されています。なお、新潮文庫では本書は『永遠のディーバ』というタイトルになっています。
 今回の舞台は、大手航空会社(日本航空がモデル)・過去の山一證券・楽器とバイクのメーカー(要するにヤマハ)・ファミリーレストラン(デニーズ)。“大物”が次々登場します。

 「会社と自分の関係」「仕事と自分の関係」について、真介クンはけっこうまじめに考察をしています。さらには「才能とは何か」について、音楽とバイクとサッカーを絡めてなんだかとても深い、そして感動的な話が展開されてしまいます。いや、こういった「リバイバルプラン」、もし本当にあったら、私は嬉しいかもしれません。そして最後。「今」と「将来」と、どちらを重視するか、の話です。なんだか哲学的な領域をかすっています。
 そうそう、本シリーズの最初の頃の「企業としては早くやめさせたい人(=本人は行くところがないから企業にしがみつこうとする人)をいかに冷酷に誘導してリストラするか」の話はもう登場しません。逆に、やめたがっている人をなんとか引き留めようとしたりする、なんというか“変化球”ばかりになっています。読む方は楽しいのですが、著者は大変でしょう。 
 「あきらめないことも一つの才能」という主張が本書には登場します。しかし、環境や周囲の人間関係に恵まれず、せっかくの「才能」が埋もれている場合もあります。そしてそういった不遇な存在を世に出すために支援する「仕事」もこの世にはあります。それは「自分が主役」であることをあきらめる態度ではありますが、でもそういった人たちがいるからこそこの世は回っていくのでしょう。そして「首切り請負業」の真介クンもまたそういった「仕事」をせっせと真面目におこなっている「ロクデナシ」(陽子さんのことば)なのです。


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