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2019年01月10日07:24

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古い「ニュー」

 昭和の末頃「ニュー・メディア」なんて言葉がありましたが、この「ニュー」の“有効期限"はどのくらいなんでしょう?

【ただいま読書中】『テレワーキング革命 ──在宅勤務、無出社勤務、サテライトオフィス、フレックスタイム……へのシナリオ』大沢光 著、 日本実業出版社、1988年、1300円
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4534013930/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4534013930&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=f582dcb0c044a2fbdb8c4c274e9717a6
 30年前、昭和末期のまだ消費税がなかった時代の本です。さて、本書に書かれていること、どれくらい実現しているのでしょうか?
 私が「日本語が使えるパソコン」を買ったのは1987年、NECのPC9801VX2でした。インターネットはおろか、パソコン通信もまだ黎明期で、モデムではなくて音響カプラーがまだ幅をきかせていたはずです。そんな時代の「未来の労働環境」は?
 会社での「情報」は「人の移動」によって運ばれていました。それを「電気通信」によって移動させよう、が「テレワーキング」の基本発想です。徒歩や馬や馬車のかわりに自動車が登場して社会が変わったように、情報の運び方を変えることで社会は大きく変わるはずです。本書にある「テレワーキングのメリット」はたとえば「職住接近」「省エネ」「分散による効率化」「(障害や性によって差別されている人の)ハンディキャップの減少」です。
 もちろん時代を感じる部分はあちこちにあります。たとえば大量のデータのやり取りは光ディスクで行うとか、遠距離での情報のやり取りは電話線を使うことが前提、とか。だけど30年前だったら、こういった技術的制約に基づく発想は仕方ありません。でも本書の基本発想は「今」に通じるものがあります。それどころか、「高齢者や女性や障害者の社会進出」など、今でもまだきちんと実現できていないことさえ本書では見据えて提言がされています。大切なのは「どんな機器を使うか」ではなくて「どのような基本発想で社会を構築し、そこで新しい機器をどのように使いこなすか」のようです。となると、21世紀の今考えるべき事も「新しいスマホ」に注目するのではなくて、どのような基本発想を持てるか、のはずです。


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