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2018年11月05日06:40

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日本シリーズ

 もう少し試合をして欲しかったところですが、ともかく今年のシリーズは終わってしまいました。
 広島カープは「来年こそは日本一を」と“宿題"が残った感じでしょうし、福岡ソフトバンクホークスは「来年はちゃんとリーグ優勝して日本一に」と思っているのではないでしょうか。
 今年も楽しませてくれて、すべてのプロ野球選手と関係者の皆さんに、感謝です。ありがとう、そしてこれからもよろしく。

【ただいま読書中】『泥と炎のインドシナ ──毎日新聞特派員団の現地報告』大森実 監修、毎日新聞社、1965年、380円
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000JAEGJC/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000JAEGJC&linkCode=as2&tag=m0kada-22&linkId=ab9e5fd3e958e2c1173fba2f6ddcf988
 発行時に本書は「迫真のルポ」だったはずです。しかし半世紀経った今、私は「歴史」として本書を読みます。
 南ベトナムでは軍事クーデターが続き、泥沼状態となった事態を打開するためアメリカは「北進報復作戦」を開始します。それに対してソ連は「北進は世界大戦を招く」と強い言葉で警告を発します(1965年2月16日モスクワ放送)。
 この頃のおおかたの見方では「米軍による北爆は限定的で、北ベトナムを交渉のテーブルにつかせるための手段に過ぎない」となっていましたが、大森さんは「米軍の無条件撤退以外に“休戦"の成立は不可能」と言い切っています。その理由は一々納得のいくものです、というか、私の視点からはすでに歴史が証明しています。それを当時入手可能な限定的な情報とくり返しベトナムを訪れて得た見聞だけからきちんと判断できているのですから、見る目がある人には見る目がある、ということなのでしょうね。毎日新聞は昔はレベルが高かったんだな、と私は小さく呟きます。というか、新聞は昔はどこも現在よりははるかに質が高い仕事をやっていたのでしょうね。
 本書の「泥」はベトナム民族、「炎」は戦争、で、それぞれを毎日新聞の特派員たちが担当してまとめています。ちなみにこの頃私は小学生をやっていて、たしかこの時期に「ベトナム日記」だったか「ベトナム戦争日記」だったか、ともかくベトナム戦争に関する子供向けの本を読んで、新聞を読んでいてはわからないことがこの世の中にはある、ということに気づいた頃でした。
 特派員が入ったデルタ地帯には「戦線」はありません。どこもかしこも「戦場」なのです。いつベトコンが姿を現すか、いつどこから撃たれるか、誰にもわかりません。デルタだけではなくて、平原でも密林でも事情は同じです。これは神経が磨り減ります。米軍兵士の間にマリファナや麻薬が蔓延したわけがわかる気がします。
 米軍の大隊は敵わないから安全に通過させ、その後に中隊が来たら襲いかかったり、地雷を手動式(紐を引っ張ったら爆発する仕掛け)にして、民間のバスやトラックは安全に通過させてその直後に米軍の車両が来たら爆発させる、という手段もベトコンは使います。しかもその地雷は、米軍が爆撃したあとの不発弾から作製したものだったりします。
 特派員も命がけです。取材から帰ろうとして迎えに来た米軍のヘリが着陸寸前に狙撃されたり、南北の国境近くで乗った鈍行列車が、記者が使って3日後に走行中に爆破されたり……
 記者だけではなくて、その家族も心配だったでしょうね。両軍の兵士の家族はもっと心配だったことでしょう。
 「米軍の無条件撤退が休戦の条件」だけではなくて「戦いはまだすぐには終わらない」とも本書では結論づけられています。これも当たっていました。結局75年サイゴン陥落まで続くわけですから。こういった「新聞記者にわかる未来」をどうして軍人や政治家は見ることができないのか、私は不思議に思います。


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