次郎長伝

昨日は一日中広沢虎造の次郎長伝を聴いた。久し振りに浪曲を聴いてみるとなかなかいいもんだと思う。とても面白い。こんないいものが最近はすたれてきているのがとても残念だと思う。私が子供の頃は浪曲好きの人が多くて、道を歩いているとあの独特の節回しがよく聞こえてきたものである。
すたれてきた原因の一つに、「聞いても意味がよく分からない」ということがあるのだろう。私の妻なども、私のそばで聴いていても、内容が全然聞き取れないと言う。
しかし、浪曲は所詮大衆芸能である。難しい話ではない。一度じっくり聞いてみれば、すぐそのパターンが分かるようになっている。話の筋はとてもシンプルだが、人情の機微を的確にとらえて外さない仕組みになっている。マンガの世界に少し似ているかもしれない。
浪曲や浄瑠璃といったような芸能の内容が、あまり知られないまますたれていくのはとても残念だ。もっとテレビで放映してほしいものだと思う。