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2017年03月24日07:10

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頭から否定

 国会の証人喚問での籠池さんの証言を、管官房長官は頭から否定していますが、否定できる根拠は何なのでしょう? その場にいたわけじゃないでしょう?
 私自身、籠池さんの言葉は眉唾物だとは思っていますが、肯定するにしても否定するにしても、何も根拠を示さずに言いたいことを言うだけだったら、それは資源と時間の無駄遣いです。もうちょっと生産的なやり取りをやって欲しいものです。

【ただいま読書中】『チンギス・ハンの墓はどこだ?』白石典之 著、 くもん出版、2010年、1400円(税別)
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 チンギス・ハンは謎が多い人です。
1)生年が不明(したがって、死んだときの年齢が不明)
2)どうしてモンゴルはあそこまでの大帝国になったのか
3)墓はどこにあるのか
 当時のモンゴルには文字がなく、しっかりした記録は残されていません。「伝説」はもちろん多々ありますが、それはいい加減なものが多い。そこで著者は「もの」に注目し、考古学の手法でチンギス・ハンの「謎」に迫ります。
 モンゴル高原はアジアのほぼ中央に位置し、広さは日本のほぼ7倍。現在は「モンゴル国」「内モンゴル自治区(中国)」「ブリヤート(ロシア)」に別れています。気候は厳しく、モンゴル族は牧畜で生きていました。モンゴル族とタタル族は犬猿の仲で、テムジンが子供の時に父エスゲイはタタル族に殺されてしまいました。さらに同族間での争いでテムジン一家は零落します。しかしテムジンの周囲には少しずつ人が集まってきました。
 当時モンゴル高原で栄えていたケレイト国、ナイマン国は次々と滅び、ついに「イケ・モンゴル・ウルス(モンゴル帝国)」が誕生。テムジンは「チンギス・ハン」になります。モンゴル帝国は拡張に次ぐ拡張で、チンギスが死んで40年くらいで、地球の陸地の1/5を占めるまでになりました。あまりに広すぎて一人で統治するのは無理ですから、4つの国にわけそれぞれをチンギスの子孫が治めるようにしました。そういえば「世界中で一番数が多いY染色体はチンギスからのもの」という説があるそうですが(どうやって確認したんだろう?)、こうやって「世界中」に「支配者」としてばらまかれたらそれは数は増えそうな気がします。
 チンギスの墓の秘密は厳重に守られていました。チンギスが死んだとき、その遺体を運ぶ行列に偶然行き会ったものは、人も動物も全部殺された、とも伝えられています。さらに、チンギスの墓のすぐそばに、モンゴル帝国の歴代皇帝16人のうち14人が葬られている、というのですから、これはもう調査するしかありません。モンゴルが民主化されたのを好機に、日本とモンゴル共同での学術調査「ゴルバンゴル計画」が始まります。ただし、モンゴルではチンギス・ハンは神格化されているため、発掘はしない、という約束でした。しかし意見の行き違いやなんやかんやで、結局計画は上手くいきませんでした。しかし著者はあきらめきれず、モンゴルに留学。チャンスを待ちます。そして、800年前(チンギスが生きていた時代)のアウラガ遺跡に注目します。人々を説得し、資金を集め、ついに2001年から発掘調査が始まりました。そこでは「焼飯」という、身分が高い人にだけ行われる儀式の痕跡が発見されました。そのことから著者は、アウラガ遺跡はモンゴルの宮殿跡で、その近くにチンギス・ハンの墓があるのではないか、と考えています。ただ、その意見に対する反対論は多く、また、チンギス・ハンを神格化する人たちからはその墓を暴くことへの忌避感も強い。ということでこの調査はなかなか前には進みにくいため「将来への課題」になってしまいそうです。私自身、盗掘されずにきちんと保存されるのなら、発掘ができずに未来に向かって保存される、でもとりあえずは良いかな、とは思っています。


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