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2016年10月27日07:06

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大暴落と地震

 この二つはよく似ています。
 どちらも「予言者」は「後」になって「起きることはわかっていた」と言います。
 どちらも「起こす力」を持った人間はいません。残念ながら「防ぐ力」を持った人も。

【ただいま読書中】『森を食べる植物』塚谷裕一 著、 岩波書店、2016年、2000円(税別)
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4000060597/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4000060597&linkCode=as2&tag=m0kada-22
 光合成をせず、カビやキノコを食べて生きる「腐生植物」についての本です。この世の中にはずいぶん変わった植物がいるんですね。
 腐生植物はかつて「腐った死骸などに寄生している」という誤解からこの名前をつけられました。実際に緑色の葉を持たず普通の植物とは一線を画した発想の形です(ギンリョウソウは鱗状の葉がありますが花茎に付着していて、一見茎と花だけに見えます。で、根っこは枝サンゴのような独特の形をしています)。
 腐生植物に近いものとして著者は「ラン」を挙げています。ランの多くは光合成もしますが根のラン菌から栄養を吸収していて、中には光合成をやめて菌類からの栄養だけで生きている「腐生ラン」というものもあるそうです。腐生ランは非常に目立たない形で生きていますが、腐生ランの中のムヨウラン(無葉蘭)は花が咲いていないときでも茎が太くて目立つそうです。「目立つ」と言っても、見る人が見れば、なんでしょうけれど。タヌキノショクダイの写真を見て私がすぐ連想したのは、クリオネです。よくよく見たらクリオネとはずいぶん違うのですが、非常に奇妙な花の形で、どことなく動物を連想させるのです。
 腐生植物は「生きたカビやキノコの菌糸」を栄養源にしています。樹木と菌類は共生関係にありますが、腐生植物はそこに割り込んできて、自分の根に付着した菌類を消化吸収してしまう、という「寄生」を行うのです。自分より小さなものに寄生する、と言われると、なんだか釈然としませんが。
 面白いことに腐生植物は“偏食”のものが多くいます。ギンリョウソウはベニタケ属、マヤランはロウタケ、タシロランはイヌセンボンタケ、と寄生する相手は特定のものだけです。もちろん“雑食”の腐生植物もいるのですが。生育環境で「栄養」が豊富で菌類の勢力が強ければ、腐生植物の種がそこに落ちて菌に寄生しようとしてもあっさり負けてしまいます。だから“偏食”で自分の身を守ろうとしているのかもしれません。
 光合成に頼らない“日陰者の生活”を選択した腐生植物ですが、このライフスタイルには利点もあります。「光をめぐっての他の種との競争」をしなくてすむ点です。せっかく得た栄養を、他の植物より背を高くするための茎や日光をより多く受けるための多数の葉に回さなくてもすみますし、住む場所の“日当たり”も気にしなくてすみます。そして、腐生植物が見つかる森は「良い森(豊かな生態系が安定期にある)」だそうです。人間の社会でも、「良い社会」だったら、腐生植物のような様々な生き方が許容されるゆとりがあるのかもしれません。 


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