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2015年11月03日07:04

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日本の難民

 「難民は冷遇しろどうでもいい。とにかく日本に入れるな」などと主張する人が日本にもいます。
 ところで、戦後に満州国などからの引き揚げでとても苦労した人たちもいわば難民なのですが、そういった人たちも冷遇されるべきだったのでしょうか? まあ、実際に引き揚げ中も、引き揚げ後もひどく苦労をさせられたようではありますが。

【ただいま読書中】『ロンドン貧乏物語 ──ヴィクトリア時代呼売商人の生活誌』ヘンリー・メイヒュー 著、 植松靖夫 訳、 悠書館、2013年、2800円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4903487660/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4903487660&linkCode=as2&tag=m0kada-22
19世紀のロンドンには、同時代の江戸と同様、呼び売り商人が溢れていました。その生活の実態を調査した著者の代表作『ロンドンの労働とロンドンの貧民』から、訳者の前訳の『ヴィクトリア時代ロンドン路地裏の生活誌』では訳さなかった部分が本書になっているのだそうです。
 呼び売り商人の娯楽は、路上での博打です。警察には禁じられているので、見張りを立てて路地裏でその日の稼ぎを賭けています。
 カップルの9割は同棲。結婚届を出しても特にメリットはないから、だそうです。男は早ければ14歳、女はそれより数歳年上で結婚(あるいは同棲)を始めます。しかし実際のカップルの生活はあまり幸福そうなものではありません。男は、飲むか賭博かパートナーを殴るか、しかしていないようなのです。飲む打つ殴る、ですね。
 文字が読めるのは数十人に一人。聖書も読めなければ教会への案内パンフレットも読めないから無信心な者が多い、と著者への情報提供者は語ったそうです。だけどそれは田舎でも同じはずなんですけどねえ。都会には都会の宗教事情があるのでしょう。
 季節によって売る物を変える人が多いのですが、夏の呼び売りに「金魚」があるのに私は驚きました。そういえば江戸にも「金魚売り」はいましたが、ロンドンではガラス製品が安くなってから金魚がよく売れるようになったそうです。江戸には「水売り」もいたけれどロンドンにはいないのかな、なんてことも私は思います。しかし、ペットフード、アイスクリーム、石炭、代書……本当に何でもありですね。クレソン売りなんてものまで登場します。クレソンだけで本当に商売が成立したのでしょうか。
 最後のあたりに「ユダヤ人の古着商」の挿絵があります。あれれ、この絵、どこかで見た覚えがあります。2年前に読書した『路地裏の大英帝国 ──イギリス都市生活史』だったかな? もしかしたら本書は、あの本のタネ本だったのかもしれません。


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