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2015年10月19日06:40

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CASTのオイル

 ちょっと混んでいる広い道を走行中、たまたま斜め前を走っているタンクローリーに書かれた文字が「CAST…… OIL トヨタ部品」と読めました。トヨタ系もカストロールオイルを使っているのか?なんて思ってよくよく見たら「CASTLE OIL」でした。むう、紛らわしい。それとも狙ってつけた名前ですか?

【ただいま読書中】『無人暗殺機ドローンの誕生』リチャード・ウィッテル 著、 赤根洋子 訳、 文藝春秋、2015年、2000円(税別)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4163902198/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4163902198&link_code=as3&tag=m0kada-22
 軍事用無人機のアイデアは、第一次世界大戦で早くも登場しています。実現はしませんでしたが。第二次世界大戦では陸上基地に対する無人特攻機が英米で試されましたが、成功はしませんでした。
 イスラエルでピカイチの航空技術者だったエイブ・カレムは、イスラエルで将来を閉ざされたためアメリカに移住して画期的な無人機の開発を始めます。「そんなものは不可能だ」と専門家たちに断言されながら、カレムは48時間飛行可能な無人機「アルバトロス」を作り上げます。次世代の「アンバー」(偵察型)を開発中に時代が変わり始めます。アメリカ軍やCIAが無人機の可能性を認めるようになってきたのですが、ソ連の崩壊とともに無人機の需要はなくなってしまいました。そこに「麦わら帽子は必ず真冬に買う」主義で投資してどんどん成功していたブルー兄弟が登場。ブルー兄弟は「プレデター」という攻撃型(GPSで誘導されて爆弾を積んで敵に突っ込む)を開発していました。ブルー兄弟はカレムの事業を買い取ります。
 ボスニア紛争で、CIAとペンタゴンは無人偵察機を欲しがります。入札に勝ったのはカレムのアイデアでした。そうして、偵察型の「プレデター」が登場します。
 空軍に「無人機」は不評でした。パイロットは飛んでナンボです。それが地上でジョイスティックを握って仕事をしろ、と言われても不満だけが募るのです。それでも少しずつ人材が集まり、実績が蓄積されます。そして、「オサマ・ビンラディンを見つけろ」という命令が。プレデターは見事にそれに成功します。
 能力向上の要求も次から次へやって来ます。レーザー照準器をつけると、攻撃の補助(爆弾の目標への誘導)ができることはわかりました。次の要求は、プレデター自身の武装化です。ただしその場合、誰がどこで引き金を引くか、が政治的な問題となります。技術的な問題は、通信の遅延。通信衛星を介してのプレデターの操縦には、1〜2秒の遅延が生じるのです。しかしそれが克服できたら、「地球の裏側からオサマ・ビンラディンを発見して攻撃する」が可能になります。しかしアメリカ政府はその企てには消極的でした。そして「9・11」が。
 政治は変化します。民間人の損害は最小に、ピンポイントでの攻撃を、という要求は高まります。それに対応するかのように、技術は進歩しました。ただ、高い技術があるからといって、政治がそれをすぐ採用するとは限りません。プレデターもそういったぎくしゃくした運命をたどっています。しかし「ライブ映像」の力は、政治家や高級将校たちに対して、ある種特権的な影響を及ぼしているようです。
 人間の目には捉えにくい高空を、低いエンジン音だけ残してゆっくり飛び回る無人機。その目は地上の動きを見逃しません。そして、「高価値目標」を発見したらその牙をむき出します。プレデターは戦争の形を変えました。いや、テロリストによって変えられた「戦争」に合わせて兵器が進化した、とも言えます。ただ、テロリストも戦術を変えるでしょう。「21世紀の戦争」はこれからどんな“進化”をするのかは誰にもわかりません。できたら「戦争の原因」を断ち切る“兵器”が開発されたら良いんですけどね。


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