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2015年05月07日08:24

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大切な子供

 敬老の日には老人に記念品が配られます。でも、子供の日に何か配ってましたっけ? そういえば最近は保育園や学校に対して「騒音公害だ」と周辺住民から抗議が申し込まれる例が多発しているそうですね。電車に乳母車を持ち込むな、と言う人も多い。日本で、子供って、本当に大切にされているのかな?

【ただいま読書中】『鍼灸の歴史』小曽戸洋・天野陽介 著、 大修館書店(あじあブックス)、2015年、1800円(税別)
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 昨日の本の舞台が鍼灸院でいろいろ「鍼のテクニック」が紹介されていたので、ちょっとその歴史についてあたってみることにしました。
 最初に「陰陽五行」「五臓六腑」「東洋医学の診察テクニック」「神話・伝説上の名医」などが紹介されますがこの辺はさらっと読み飛ばします。
 馬王堆漢墓(約2200年前のお墓)から出土した医書は、中国最古の医書の現物ですが、その中に、全身の経脈を示したものがありました。ただ、現在の十二経脈ではなくて馬王堆漢墓のは「十一」という違いがあります。また、現在は「ツボを見つけてそれを線でつなぐことで「経脈」が想定された」とされていますが、その逆の「先に経脈が想定され、その線上にツボを見つけていった」という可能性もあることがわかりました。
 どうして「治療のために人体を刺す」という発想になったのか、不思議ですが、西洋でも昔から似たことはやっていました。ただしツボの刺激ではなくて瀉血のためですが。もしかしたら「背景となる医学理論」は異なっても「医者の発想」はどこでも似たようなものなのかもしれません。
 漢の時代(紀元前〜紀元後の約400年)に「黄帝内経」「難経」など鍼灸の原典が成立しました。それ以降の時代にも次々鍼灸書が出されましたが、その多くは日本にももたらされました。面白いのは、日本ではそれらは「舶来の古典」として後生大事に保存されたのに対して、中国では戦乱や「古いものより最新の本の方が価値がある」という考え方からか、昔の本はどんどん散逸してしまったことです。そのため、明治時代になってから中国に対して日本から「中国文献の再輸出」が行われ、中医学の基礎固めに役立ちました。
 鍼灸は主義そのものは違いますが、「ツボを刺激する」点では共通の発想を持っています。それを知らずに単に「お灸を据える」だけの民間療法もあるのが残念なところですが、実際にどのような症状にどのような手技が効くのか、歴史を踏まえた上できちんと検討することが必要で人類に有用なのではないか、と私には思えます。「経絡秘孔」の実在性は疑問ですが、「ツボが存在すること」は自分の体で確認できることですから、私は鍼灸そのものを全否定しようとは思っていないのです。自分に役に立つものだったら何でも使いたいですからね。


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