佐藤秀明の『三島由紀夫 悲劇への欲動』(岩波新書)を読んだ。この本は昨年の三島由紀夫没後50年に合わせて大量に刊行された三島本の一冊で、新刊で出たときにも興味を持って買おうかと思ったのだけど、「欲動」という精神分析用語を副題に使っていることに
森さんは愚直すぎたということかな。森さんの元々の発言自体は、全文を読めば女性蔑視どころか、彼なりに女性をリスペクトしていることがわかる。女性蔑視とは、ショーペンハウエルの『女について』みたいな言説のことをいう。試みに少し引用してみよう。「女
三島由紀夫が昭和45年11月25日に市ヶ谷で自決する際、「生命尊重以上の価値の所在を見せてやる」と叫んだことは有名だが、これは戦後ヒューマニズムに叩きつけられた最もラジカルな批判といえるだろう。命は確かに大切だが、命を絶対視することは、かえって命