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日記一覧

今更ながらクドカンの『中学生円山』を観たのだけど、ナレーションのエンケンさんの声がしみじみと優しい。中坊の性的妄想にここまで優しく寄り添える声は、エンケンさんをおいて他にいない。劇中の「ド・素人はスッコンデロォ!」「おでこにキッス」の演奏シ

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社会否定の表現として、ある意味究極の「ロック・アイコン」であったチャールズ・マンソンが亡くなった。何年か前に、マンソンと獄中結婚した20代の女性の記事を雑誌で読んだけど、マンソンを救世主と感じてしまうほどの、それほどまでに強烈な現代社会への絶

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『パターソン』を観てきた。淡々とした日常の風景の中、素人っぽい抑えた演技の俳優たちの姿を映し出す、しかし全体にはしっかりオサレな味付けを忘れない、流石ジャームッシュというべき、サブカル・ミニマリズムの逸品。ただ、日常の風景を淡々と映し出すと

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「美しい絵も、静かな音楽も、よく書かれた小説も炉辺の孤独なひとときがなくては、決してその味を知ることができない。娯楽としての文学は、人生の酸いも甘いもかみ分けた老政治家が、ファイアプレースのそばでパイプをふかしながら耽読する、ジェームス・ボ

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池内紀の近刊『闘う文豪とナチス・ドイツ――トーマス・マンの亡命日記』(中公新書)、読了。うーん、期待していたほどの読み応えはなかったけど、そもそも軽い連載エッセイとして書かれた文章を一冊にまとめたものだから、深い考察や鋭い洞察が披歴される重

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ヘイトスピーチ、イスラム国、ブリクジット、トランプ現象――最近のディスコミニュケーションを恥じるどころか誇示するかのような動きの数々に流石に辟易して、渡辺一夫の「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」を少し前に再読した。「

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去年の誕生日プレゼントで貰った黒田硫黄の『セクシーボイスアンドロボ』、タイミングを逸してそのままにしていたのをようやく読んだ。墨を使った独自の画風とシュールな展開、そしてスタイリッシュな台詞でカルト的人気を誇る黒田硫黄だけど、『セクシーボイ

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再結成RIDEの新譜収録曲を聴こうとYoutubeで検索したら、本編開始前の広告でかかっていたあべりょうの「核攻撃サバイバー」。RIDEの新譜なんてどうでもよくなるほどのインパクト。情弱なもんで今更知ったけど、面白いねこの人。芸風としては、鳥肌実ミーツ外

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浅草橋のタオル問屋で「神風」鉢巻が130円で売られているのを見つけ、備蓄食糧や災害グッズ以上に、「いざ」という時のための、これこそがマストアイテムであると思い、購入。「私は日本人の長所の一つは、時勢に合わない話ですが、「神風」のごとく死ねるこ

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最近心が疲れてしまっているので、ささやかな「癒し」というか、女子風に言えば「自分へのご褒美」を求めて、トーマス・マンの「ドイツ共和国について」を久しぶりに読む。「ドイツ共和国について」は、第一次大戦におけるドイツ敗戦後、トーマス・マンがドイ

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女性たちの連合赤軍
2017年07月16日18:15

昨日、渋谷のロフト9で開催された『浅間山荘から45年「連合赤軍とは何だったのか」』というトークイベントへ行ってきた。プログラムは以下の通り。【第1部〜3部まで登壇の連合赤軍当事者】植垣康博(赤軍派)、青砥幹夫(赤軍派)、前澤虎義(革命左派)、岩

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映画『平成松下村塾』
2017年07月02日15:32

昔、『戦国自衛隊』という角川のトンデモ映画があった。自衛隊が戦国時代にタイムスリップしたら……というSFの形を借りた一種の思考実験映画である。その逆で、歴史上の組織や人物が現代にタイムスリップしたら、という思考実験映画を作ったらどうだろうか。

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以前、人に勧められて気になっていたミヒャエル・ハネケ監督の『ファニー・ゲーム』を観てみた。「史上最高に後味の悪い映画」との世評が高いようなので、どれお手並み拝見、という感じで鑑賞したのだけど、救いのない後味の悪さみたいなものは、若松孝二監督

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昨日、久しぶりに八雲中央図書館へ行き、リサイクル・コーナーで入手した4冊。ポール・ヴァレリー『純粋および応用アナーキー原理』佐々木毅『近代政治思想の誕生』エリ・ケドゥーリー『ナショナリズム』E・H・カー『ナショナリズムの発展』昨年引越しをして

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ポールの25日の武道館の音源が全曲アップされている。なかなかの高音質。それにしても「A Hard Day’s Night」「Jet」「Drive My Car」「Junior’s Farm」――というオープニング4連発の破壊力は凄まじい。ビートルズーウィングス、ビートルズ-ウィングスとい

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サリンジャーと西行
2017年04月15日17:25

サリンジャーの『大工よ、屋根の梁を高く上げよ』(野崎孝訳)に、西行のものとして次の歌が引用されている。「そは何か われは知らねど ありがたき心地せまりて わが涙落つ」これは原文だと次のようになっている。「What it is I know not. But with the

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この写真は、そのリラックスした佇まいとやんごとなき方ならではの雅やかな遊び心を感じさせる「御真影」として、皇室史上に残る一枚になるのではないだろうか。高齢に達した高貴な方のみが身にまといえる、この世にありながら存在の半分はすでにこの世以外の

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Roll Over Chuck Berry
2017年03月19日14:46

ジョニー・B・グッドのカヴァー数あれど、セックス・ピストルズのヴァージョンは先人やオリジナルへの畏敬の念が微塵も感じられない冒涜的ですらある強靭なパロディ精神が強烈で、対象を無闇に有難がったり神格化したりしないという意味において、かえって他

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「鍵盤物」3枚
2017年02月27日01:44

エンケンさんの新譜『けんちゃんのピアノ画』を下北のディスクユニオンへ買いに行ったら、ついでに幻の名盤ジョージー・フェイムのデビュー盤『リズム・アンド・ブルース・アット・ザ・フラミンゴ』を発見! こちらも即購入。さらにグルダの演奏するバッハの

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訃報から2週間経ちようやく谷口ジローの『犬を飼う』の単行本を部屋に積まれた段ボールの底から発見。初版本だけど、それにどのくらいの価値があるかはわからない。いずれにせよこの漫画の価値は、書物としての稀覯性にではなく、作品としての独自性にこそ宿

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マイク・ケリーの思い出
2017年01月21日13:12

オンリー・ワンズのドラマー、マイク・ケリーが亡くなった。オンリー・ワンズは、2008年と2009年、そして2014年のラストツアーと、すべての来日公演を観に行っている。マイク・ケリーの体調不良もあり、再結成後のニューアルバムの製作がなかなか進んでいない

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引っ越し後の荷ほどきを少しずつ進めているのだけど、奥の方にしまったままでほとんど聴いてなかったCDとかも出てきて、久しぶりに聴いてみるとそれが結構よかったりして、そんな油を売っているうちに時間はいたずらに過ぎてゆき、荷ほどきは遅々として進まな

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