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日記一覧

『人形の家』と『蓼喰う虫』。この二作品は対をなすような関係にある――というか、おそらく谷崎は『人形の家』のパロディ的批評として『蓼喰う虫』を書いたのではないかと思われる。イプセンでは人形のように可愛がられる状態から一人の人間としての自我に目

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日大の宮川選手、彼がちょうど20歳で、しかも丸刈りの素朴できりっとした風貌が、大戦中の学徒動員兵を彷彿させるため、どうしても一連の「悪質タックル」の構造的原因は、かつての「特攻」と同形のものと思われ、日本型組織の孕む陥穽のアタイズム的な反復を

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近代日本文学の最高峰とも称されることの多い谷崎潤一郎の『細雪』が、「恋愛小説」ならぬ「見合小説」であることの意味は存外大きいもしれない。自然主義以来、「個人の自我」を前提とした「自由恋愛」を描くことが日本の近代小説の主流となった。結果、近代

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「――一日のはじまる早朝、清新の気がみなぎって、自分の力も曙光と共にかがやいているのに、本を読むこと――それを私は悪徳と呼ぶ!――」(ニーチェ『この人を見よ』)今年に入ってから、毎朝、起床後シャワーを浴びたあと、食事を摂る前に30分〜1時間ほ

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小説の言葉の可能性
2018年05月03日22:09

たとえば、谷崎潤一郎の『細雪』に次のような文章がある。「雪子はさっき、玄関に叔母の声が聞えた時から姿が見えないのであるが、多分二階の部屋へ逃げ込んで小さくなっているのであろうと、幸子は察して、上って行ってみると、果して六畳の居間の、悦子の寝

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車輪の唄
2018年05月03日20:51

現在乗っている自転車、先代が2001年に事故で廃車になって買い換えて以来の愛車だから、かれこれ20年近い付き合いになる。たしか15000円ほどで購入した、ごく平凡なママチャリである。その間、あるスーパーに駐輪していたところ車にぶつけられたらしく、半壊

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