散らかる部屋に沈む夕日は君とふたりで生きている色 #短歌
0次会本番までにぼくらがどれだけ薄まってゆくか実験みたいだ
お願いを百回言えば魔法になる そんな気がして引き延ばす夜 #短歌
空っぽの冷蔵庫さえも愛おしくあしたの光を少し信じる #短歌
「身代金いくらにする?」ってさくらんぼの芯をきれいに結んで笑う #短歌
あるいは神様がつくった家で僕は脱ぎっぱなしの靴を探してる 短歌
それくらい言わなきゃやってられないぜアイスコーヒーおかわりしよう #短歌
窓辺の風に言葉は溶けて私の名前だけが静かに残る #短歌
結露 あるいは「密」の証拠としての水滴を拭く 正義みたいに
深夜二時あるいは朝の七時に僕らはただ正しく汚れてゆく #短歌
飲み干してからあげるわ夜もその水も あたしがいないと溺れるくせに #短歌
まばたきをするあいだだけ許された静かな夜の青いほうりつ #短歌
あたらしい膝のうしろのくぼみへとよるのしずくをそっと溜めてる #短歌
「きれいだね」天使がライター擦る夜にぼくはしずかに絶滅をする #短歌
偽物の魔王の指が這い上がる わたしのなかの闇エロス)を騙して #短歌
きみの言葉が砂漠を埋めて僕たちはプラスチックの長靴で踊る #短歌
雨粒を数えていたら来たバスはあなたじゃなくて今日を運んだ #短歌
雨音を栞にそっと挟み込みあなたの部屋で朝を待ちます #短歌
地方都市のくすんだ駅へ向かうバス 雨のなかに消えていく背中 短歌
泣きたいと泣きたいほどは違うからバジルは黙って雨だけを飲む #短歌
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