玄関の鍵をそのまま預かって自分の影を靴底で踏む #短歌
地球儀をぐるりと回す指先に小さな地球を支える力 #短歌
バス停の時刻表見て数秒のあいだに誰かが忘れた潮風 #短歌
コンビニの明るい光のなかにまで海のかけらを落として歩く #短歌
ポケットの中で目覚めた貝がらの耳をすませばざわめく銀河 #短歌
玄関に脱ぎ捨てられたサンダルからぽたぽた落ちるひとしずくの海 #短歌
自販機のあたたかい缶買うだけで今日は世界に許された気分 #短歌
深夜二時コンビニの灯に照らされて僕らは別に燃えなくてもいい #短歌
どこか遠くで鳴る踏切の音だけがうすい曇り空ですをとおっていく #短歌
時間の縫い目をすり抜けるステップで僕らは永遠へとずれていく #短歌
自動販売機のつめたい缶の表面に光る水玉を見てる #短歌
信号が青に変わればそのたびに誰かの傘が空を返して #短歌
さよならの代わりに君がくれたのは小さな傘のぬくもりだった #短歌
というわけで内臓が丸見えになっておりますので本日はお休みします #短歌
注射針が「身代金いくらにする?」と錆びた歩道橋からきみは呟く #短歌
何も考えてないよと答えてすこし速足で靴紐を結ぶ #短歌
膝カックン人生なんて言葉 誰かがふざけて言い出しただけでしょ #短歌
朝からの雫ぽたりと落ちるたびレジ前だけが海になる午後 #短歌
十年も暮らせばここがふるさとでまどろむ波に鍵をかけてる #短歌
世界の終わりみたいな夕日が沈む 僕らの距離はまだ測れない #短歌
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